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no.120 ページ18
里中先輩は私より3つ年上の女の人だ。
私がバイトを始めたときには既に新人バイトの教育係をしていた。
最初の頃は接客すら満足にできなかった私。
里中先輩は私のペースでやればいいって、いつも励ましてくれた。
ずばっとはっきり言う人だから呆気にとられることも多かったけど、
里中先輩と一緒に仕事ができてよかったなあって思う。
「先輩、お待たせしました」
「全然待ってないよ！」
先輩が座っているベンチの空いた場所に座る。
「わたしさー」
座ったとたん、先輩が前を向いたまましゃべりだした。
「真由はすぐにやめちゃうかもしれないなーって思ってた」
「え・・・そうなんですか？」
「うん。ほわーっとしてるじゃん？
キツいこと言われたらそのままぺしゃんこになりそうな印象だったから。
でも・・・違ったね。ずっと続いてる」
「そう・・・ですね」
「見た目と違って意外に根性あるんだなーって見直した！」
「えー、私そんなに弱々しいですか？」
「弱い、つうかー・・・何かに守られてないと生きていけない、って感じ？」
「・・・」
「もちろんそれが悪いとは言ってないよ？
そういう生き方もあると思うし。たださ・・・
真由は自分の希望とか要望とか、
そういうの全部飲み込んででも相手に合わせようとするとこあるから」
痛い・・・
バイトの時間くらいしか話してなかったのに、どうしてそんなにわかるんだろ？
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作者名：sai-sai
| 作成日時：2016年10月22日 22時
