プロローグ5 ページ5
その後、立香は時間を忘れて、しばらく妖怪の本を読むのに没頭した。
立香(こうして読むと、妖怪も色々居るんだなぁ。)
そこで、ふと、立香は図書館の壁にかけられた時計を見る。
立香(あっ、そろそろ夕飯の時間だ。)
立香は妖怪の本を元の本棚にしまうと、紫式部にお礼を言い、図書館から出ていき、食堂へ向かった。
それから食堂で夕飯を食べ終えると、通路を歩く。
立香「あの夢…なんだったんだろう…。
…あの猫又は…一体…。」
アビゲイル「今、猫って言った!?」
立香「わっ。」
アビゲイル「驚かせてごめんなさい、マスター。マスターの口から猫って言葉が聞こえたものだから、もしかして近くに猫が居るのかなと思って…。」
立香「あはは、そうだった。アビーは猫が好きだったね。」
アビゲイル「えぇ!猫は大好きよ!
犬と違って、吠えないし!」
立香「私が言ってたのは猫又っていう、日本の…んー…なんて言ったらいいかな。
精霊…に、近いのかな?」
アビゲイル「ジパングには猫の精霊が居るの!?素敵!ぜひお会いしてみたいわ!」
立香「人間に飼われていた猫がね、普通よりもすごく長生きすると、尻尾が二つに分かれて、猫又って呼ばれるようになるんだって。
しかも猫又は自分を大切にしてくれた飼い主に恩返しをすることもあるらしいよ。」
アビゲイル「まぁ!なんて素敵な精霊なの!やっぱり猫はいい子ね!」
立香「…アビーにだけ、話してみようかな。」
アビゲイル「?」
立香「実は…マシュにも話してないんだけど、今朝、不思議な夢を見たんだ。」
アビゲイル「夢?」
立香「そう。その夢に猫又が…」
その時だった。
通路の曲がり角に猫らしき影が見えた。
立香「!!」
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時