プロローグ6 ページ6
立香「ごめん!アビー!また後で話す!」
アビゲイル「マスター!?」
立香は影を追いかける。
影の後を追っている内に立香は人気(ひとけ)もサーヴァントの気配もない通路の端にたどり着いた。
影を追いかけた末、視界の前に立ちはだかったのは行き止まりの壁だった。
立香「おかしいな…確かにこっちに来たと思うんだけど…。」
辺りをキョロキョロと見回していたその時。
猫又?「ふむ、いささか慎重さに欠けるが、好奇心が旺盛な方だ。」
立香「!!」
立香は声がした方を振り返る。
そこには…間違いなく、夢で見た猫又が立っていた。
二本の尻尾に二足で人間のように安定して立ち、着物を着たその猫又は愛らしい見た目をしている一方で、聡明な眼をしており、普通の人間よりも落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
立香「君は…。」
猫又?「初めまして、藤丸立香さん。突然の訪問、お許し願いたい。此度、あなたにお話があってやって参りました。」
立香「私に?」
マタムネ「小生、この度カルデアのマスター立香さんにお力を貸していただくべく、黄泉から戻ってまいったねこまたのマタムネと申す。好物はマタタビ。」
立香「あっ、これはご丁寧にどうも。
私は藤丸立香と申します。好物は…何でも食べます。」
マタムネ「それはよいことだ。」
立香「それで、私に話って?」
マタムネ「おや。素性のわからぬ猫又の話を聞いてくださるのか。」
立香「うん、聞くよ。」
マタムネ「して、その理由は?」
立香「…猫又は悪い妖怪じゃないって、知ってるから。」
マタムネ「!…変わったお人だ。
よろしい。であれば、善は急げ。
場所を変えましょう。」
立香「あ、待って。だったらマシュや皆にも会ってもら…」
立香の言葉が言い終える前に、立香の意識と肉体はマタムネと共にカルデアから忽然と消え失せた。
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作者名:タンポポ | 作成日時:2022年9月28日 13時