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部屋をノックしても返事がないからドアを開けてみたら、やっぱり彼はいなかった。
懐かしいな。前までこの部屋で一緒にいたんだ。
朝が早くて帰りが遅いココくんを、一人でぼんやり待ちぼうけした。
そのうちに寝てしまうことも多かったけど、夜中に目を覚ますと隣にココくんがいて、それが酷く私を安心させた。
『うわ……。酷いなこりゃ』
机の上に散らばった書類の数々、灰皿に山盛りになった吸殻。何本目かわからないブラックコーヒー。
潔癖のココくんとは思えない程、散らかっている。
これを見たらそのままにはしておけないし、適当にゴミを纏めて整理していた時だった。
「そこで何やってる……？」
『ココくん……』
低く掠れた声。目の下には濃い隈。
わかりやすく疲れた顔のココくんが私を睨む。
「人の部屋で勝手に何してんだ」
『ごめん、居ないから待ってようと思って……』
「……何の用だ」
そう聞かれて困った。
特にこれといった用事はない。
ただ、ココくんとずっとこのままというわけにいかないから、話したくて来ただけ。
『用事はないんだけど……。えっと、ココくんと話したくて』
「俺はお前と話すことはねぇけどな」
あ、もうAって呼んでくれないんだ。
やばい、結構ショックかも……。
『あ、あのさ、蘭さんから聞いたよ、ココくんは人を殺したらだめだよ。そういうの向いてないよ。だって、手を下すのは嫌だって言ってたじゃん、性にあわないって……』
「……」
『だからココくんは、いたっ』
突然腕を捕まれ、思い切り引っ張られる。
そのままベッドに組み敷かれ、久しぶりに近距離からココくんの顔を見た。
「お前それ言いにわざわざ来たわけ？」
『……そう、だよ』
「余計なお世話だ。俺が何してようがお前には関係ねぇだろ」
ココくんの顔には青筋が浮き出ていて。
冷静な声音が余計に怖いと思った。
『関係なくないよ……。私も梵天にいるんだよ。ココくんが変わっちゃうのは嫌なの……』
「お前のせいだろ」
『……っ、』
「お前が勝手に俺の傍からいなくなるから、こんなことになるんだよ。全部、全部お前が悪いんだ。俺はお前を……」
その声は辛く、苦しいもので。
続きを聞きたくない。目を合わせられない。
一刻も早くこの場から逃げ出したい。
けど、どうしたってそれができないのは、
私がまだ彼を好きだからなのか。
それとも単なる情なのか。
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蜜柑(プロフ) - 夢見心音さん» 夢見心音さん、コメントありがとうございます✨もっと素敵なココくん・春千夜を書けるよう頑張ります✨ (2022年2月23日 10時) (
レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
夢見心音(プロフ) - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ好きです (2022年2月23日 2時) (レス) @page34 id: 6c0a89f163 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 決して器用ではないけれど不器用で一途な一くんが大好きです💛💛💛 (2021年11月5日 16時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ちえさん» ちえさんまたコメントありがとうございます！決して器用じゃないけど心配性で一途で神経質なココくんが好きです✨ (2021年11月2日 23時) (レス) id: 6c0400a92a (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - そんなココちゃんの不器用部分も含めて全部大好き君のことが好きなんだ (2021年11月2日 18時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2021年9月17日 18時
