【名探偵コナン】愛錠 第3錠【安室透/降谷零】

第92錠 ページ2

数日後__


私は安室さんとは会わなくなった

仕事が忙しくなったというのもあるけど

ただ会うのが怖いだけ


それに会ったらどんな顔をすればいいの

私もきっとひどいことを言いそう


いつまでも落ち込んでもしょうがない


今日は朝から楽曲制作、気づけば夜になっていて私はラジオ局へ来ていた


_





__





___



『いやぁ〜今日も盛り上がってきたね！○○Lock！

次はLuNA先生の授業です！』


LuNA『…はい、今夜の授業は

〈生徒からのお悩み相談を解決！〉ということで

東京都、17歳女の子、ラジオネーム○○さん

『LuNAちゃんに相談があります

私には中学校から好きな男がいます

高校で久しぶりに再会したんですが、何だか前の彼とは少し違ってました

それでも彼のことを諦められません

もしLuNAちゃんならどうしますか？何かアドバイスお願いします』…』


前の彼とは違う、か






"君はいつまでお兄さんの幻影に囚われているだい"








"死んだ人間のことをいつまでも悔やんでも仕方のないことですよ"









"君のように僕は表舞台では目立ちたくないので"






『…ぇっと〜、LuNAちゃん？』


LuNA『っ！あ、ごめんなさい、んー…難しいお悩みですね』


『LuNAちゃんのお話してみたら？学生時代好きな人いなかったの？


LuNA『好きな人…っ』


持ってた原稿に力が入ってしまった

好きな人、そう言われて浮かんだ顔は──


LuNA『いましたよ、好きな人』


『おぉ！その人には気持ち伝えた？』


LuNA『いいえ、伝えてません

その人と私は、住んでる世界が違うんだって痛感されたので…』


彼と私は違うんだよね

あれ、でもどうして今──安室さんの顔が浮かんだの


私の好きだったひとは、降谷さんだったはず


ダメだ、今は余計なことを考えず仕事に集中しないと


LuNA『って、私はのことはいいですよ、そうだなぁ…

私だったら静かな見守っちゃうかな』


『と、言うと？』


LuNA『彼のそばにいれればそれで十分です

彼の優しさやぬくもりのそばにいれれば、好きって言わなくてもいいかなって

…でもそれは私の場合だから、○○ちゃんは絶対諦めちゃダメだよ』


『なるほどねぇ〜、静かに見守るかぁ

LuNAの名の通り、月のように見守るってことだね！』


LuNA『ﾌﾌｯ、そうかもしれませんね、さあ次のお悩みは…』


なんて自分のことを話したけど

その後のラジオ中もあの時の安室さんの言葉がよぎってしまっていた


・


・


・

第93錠→←第91錠

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す