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第91錠 ページ1

安室さんの言葉に何も言えない私


すると安室さんは淡々と話していく


安室『僕を誰かと重ね合わせるのは気のせいですよ

それに、死んだ人間のことをいつまでも悔やんでも仕方のないことですよ』


A『っ!…』


安室さんからこんな、こんな冷徹なことを言われるなんて

震える手をおさえながら私も口を開く


A『じゃあ安室さんは、大切な人を忘れらることって出来るんですか?』


安室『…どうでしょう、でも忘れるのも一つの強さだと思います』


A『…っ』









"俺と生きてきた今日、忘れるなよ"









お兄ちゃんからの最後のメールを思い出す


そうだ、忘れることなんて


A『…私は、忘れたくないです』


安室『…それが囚われているということですよ

それに僕と君とは、住む世界が違いますからね』


A『ぇ、どういうことですか?』


安室『そのままの意味ですよ、君のように僕は表舞台では目立ちたくないので

それと、しばらくは連絡は避けようと思います』


そう言われ、安室さんは電話を切った


しばらく呆然としていたけど、徐々に思考が戻ってきた









"君はいつまでお兄さんの幻影に囚われているだい"








"死んだ人間のことをいつまでも悔やんでも仕方のないことですよ"









"君のように僕は表舞台では目立ちたくないので"









A『っ…クッ』


自分でも分かっていたことを突きつけられ、溜まっていた涙が一気に溢れ出す


そんなこと、自分が一番わかっている

わかっているけど


A『忘れる、ことなんて…出来ないよ…!』


_









__









___


《安室side》


安室『…』


自分でもわかる、何故あんなことを言ったのか

震えていた彼女の声


きっと今頃涙を流しているであろう


そうさせた自分に腹が立ち、髪をかきあげる


?『あら、何をそんな苛立ってるの?』


僕の車に乗り、そう言う'ある人物'


安室『いえ、大したことではありません』


?『へぇ、でも顔にはそう描いてあるわよ、今の貴方』


そう言われたことにも苛立ち、アクセルを踏む

信号待ちでふと目にした、彼女、LuNAの宣伝看板が見えた


そうだ、彼女は表舞台にいる月のような人

それに比べて僕は、血で黒く染まった舞台の人間


安室『(そんな人間と僕が同じ、か…)…フッ』


?『あら、今度は何?』


安室『いえ、別に何も』








第92錠→



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リイナ(プロフ) - 睦月 蓮さん» コメントありがとうございます!LiSA大好きでライブも行きます笑! (2021年11月2日 11時) (レス) id: 6035cdbe01 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 蓮(プロフ) - 初めまして!いつもどうなるんだろうってドキドキしながら読んでます。LiSAさん好きなんですね!私も大好きです! (2021年10月16日 12時) (レス) id: 170d46157d (このIDを非表示/違反報告)
リイナ(プロフ) - みぞれさん» コメントありがとうございます!あたたかいお言葉嬉しいです(´-_-。`)これからも頑張らせていただきます! (2021年10月5日 20時) (レス) id: 6035cdbe01 (このIDを非表示/違反報告)
みぞれ(プロフ) - とても面白くてついつい一気に読んじゃいました!更新頑張ってください!これから楽しみにさせて頂きます! (2021年9月27日 20時) (レス) @page6 id: 976162990d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リイナ | 作成日時:2021年9月26日 15時

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