ねがてぃぶがよんじゅうに ページ43
.
「……うん、出来た」
「あざす」
「ううん、私が悪いし」
何も悪くねーけどな。
という突っ込みはしないでおいた。
彼女がそうやって自分を責めるのは今に始まったことじゃないし、言及すると長くなるし理解されないに決まっている。
そのうち自然と出来なくなりゃいいのに。
救急箱に物を戻していくのを見ていると、ふと朝霧の手が止まった。
………
「………どうしたんでさァ」
「………あ、あのさ、沖田」
朝霧の顔色は幾分良くなったが、やはり浮かない顔をしていた。
もう手当ては終わったんだから、朝霧が気にする事はねーはずだが……。
黙って次の言葉を待っていると、視線を右往左往させていた朝霧が顔を上げた。
____憂いを帯びた綺麗な目と視線が絡み合う。
彼女の薄い唇が開き、控えめに言葉を紡ぐ。
「もしかして、というか、あの、
自意識過剰だと思うんだけど……」
「……へぇ、言ってみなせェ」
かちり、と音がしたような気がした。
それは間違いなく嗜虐心のスイッチだ。照れたような顔をする朝霧に口角が上がるのがわかる。
散々朝霧の返事を待つも、
「…………………や、やっぱやめとく」
結局俺から視線を逸らし、俯いたままそう零した。
……逃がすわけねえのに。
「ふーん……」
「…わかるくせに」
「言わせねーと意味ねェよ」
今度は拗ねたような態度の朝霧。
逃がすまいとその顎を掴み、無理やり顔をあげさせる。
……すげえ間抜け面。
.
138人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヤマダ電機(プロフ) - 城崎 茉孤さん» 恐縮です…嬉しいお言葉ありがとうございます…!励みになります😭 (1月6日 22時) (レス) id: 7a7cca59ad (このIDを非表示/違反報告)
城崎 茉孤(プロフ) - 好きです…、文字書きとしてはクソみたいな感想投稿しちゃって申し訳ないんですけど、超好きです…。 (1月6日 12時) (レス) @page50 id: 8e9637cb28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヤマダ電機 | 作成日時:2023年12月10日 21時