３８話 side,渉 ページ40
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一瞬、彼女の瞳が揺れた気がした。
しかしそれはすぐに戻り、彼女は動揺を悟らせたくないかのように、口角を上げ、目を細めた。
『……優しいね、みんなは……。
だからこそ、私は守りたかったのかもしれないなぁ……。大切な、レオや泉以外の初めての、私の綺麗な“たからもの”。』
渉「おや、もしかして私たちのことだったりします？」
『他に誰もいないでしょう？綺麗で、眩しくて……私が守らないと、消えちゃうと思った。』
渉「ふふふ、本来は守る側なんですがねぇ？」
『………でも、もしかしたら…
守っていたんじゃなくて＿＿＿＿＿＿＿』
渉「……おや、職員室に着いてしまいましたね。」
『渉といると、つい夢中で話しちゃうね。』
渉「それはそれは！光栄です☆」
『……じゃあね、渉。』
渉「はい♪」
《守っていたんじゃなくて…………》
その続きが、私には分かってしまう。
《守っていたんじゃなくて》
《ただ、自慢していただけなのかもしれない》
そうでしょう？A。
貴女は言ってくれましたね。
私たちが、貴女の大切な “ たからもの ” だと。
綺麗で暖かくて、消えてしまいそうなものだと。
その枠にはきっと、あの小さな幼馴染さんも入っているのでしょう。
宝物とは、本来自分にとって特別なものに使う言葉。
だからこその、《自慢していただけ》という言葉なのでしょう。
この綺麗で暖かいものが、私の大切なものだと。
とても価値のある、愛するべきものだと。
そしてこれらは、お前たちには手に入れられないものだと。
掲げた正義はただのおもちゃの剣で、
唱えた愛はただの自慢話だった。
それこそが、貴女が貴女に思う、罪なのでしょう。
《結局、守ることさえ出来なかった》と。
他の誰が赦しても、貴女が貴女を赦すことはない。
自分を箱に閉じ込めて、
おもちゃを掲げた腕をもぎ取って、
自慢話を唱えた口を縫い付けた。
あの頃は、あんなに活発で明るい子だったのに。
やはり貴女には、演技の才能があると、私は思いますよ。
親愛なる道化師より、愛を込めて。
優しく愚かな貴女が、誰よりも幸せになれますように。
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春(プロフ) - かすみさん» 読んでいただきありがとうございます！名前を変えるというのは、名字の変更が自由にできるようにするという解釈で大丈夫ですか？なるべく読者様が読みやすいようにしていくつもりなので、誤字脱字その他諸々、何でも言って下さい！コメントありがとうございます。 (2020年6月4日 17時) (
レス) id: f38551527f (このIDを非表示/違反報告)
かすみ(プロフ) - こんにちは！瀬名推しで楽しく読ませてもらってます(^^)お願いなのですが、名前の変更が出来るようにしてもらえると嬉しいです(*_*)今後の更新も楽しみにしてます！ (2020年6月4日 14時) (レス) id: 46b3b2d0d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：春 | 作成日時：2020年5月18日 14時
