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▼ 通学…06 ページ7





「黄瀬君、もう少し先に行ったところにいるよ」

「……ゴメンね、ありがとう」



"黄瀬君"という存在が把握できていない私にとって、

この視線たっぷりの道を通るのは何とも言えない気分だった。




女子の波を少しずつ避けながら、やっと前の方に来ると


その"黄瀬君"と呼ばれる人の顔が見えた。





「あ……れ?」



最初こそは確信がつかなかったけど、その人の正体がやっとわかると

ドキンと大きく心臓が跳ねた。




「あ」


「……っ」



向こうも私に気づいたようで、今度は、はっきりと目が合った。




朝、電車で向かい側のあの人。

"黄瀬君"っていうのは――あの人だったんだ。





転機は意外にも、早く訪れた。


 

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作成日時:2014年3月24日 16時

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