【おそ松さん】鳥籠の華嫁【極道松】

20華目 長男編2 ページ22

お「お前強くね？」

「おそ松が弱いんじゃなくて？」

お「いやいやいや天下のカリスマレジェンドおそ松様が弱いわけないでしょお、お前が強いんだって」




あれから10回勝負をしたものの、8回は私が勝った


勝ったといってもほぼ運なんだけど




「でも楽しいものね」

お「だろぉ？」

「お金をかけなければまたやってもいいかもしれないわ」

お「えぇー…賭けなきゃ楽しくないのに」

「だめよおそ松、お金は大事なんだから」




…本当にね、大事なんだから




お「…なんかやっぱ桜今日おかしくね？」

「そ、そんなことないわよ」

お「んー…あやしい」




おそ松が疑うように私の顔を覗き込む




お「俺に隠し事してない？」

「してないわ」

お「…ふーん…まあ言いたくないなら無理には聞かないけど、俺に隠し事しようとしても無駄だよ」




煙草に火をつけながら少し苛ついたようにそう呟く




「なんでそんなに私が隠し事してると思うの？」

お「分かるんだよ…ずっとお前のこと見てんだから」




くいっと顎を指で持ち上げられて、おそ松と目が合う


いつものへらへらした表情とは違う切なそうな、真剣な表情から目がそらせない




「幼馴染だから？分かるの？」

お「はー…またそれ？俺お前の事幼馴染って思ってないんだけど」

「えっ！？」




それは普通に傷付く……




お「あ、違う違う勘違いすんな！！幼馴染とは思ってるけど幼馴染とは思ってないんだって」

「何言ってるのかよくわからないんだけど…」

お「あー！！！もう！！俺もよくわかんねえよくそ！」

「何怒ってんの？」




ガシガシと頭を掻き毟るおそ松が何を考えているのかわからなくて首を傾げる




お「なんでもない！とにかく俺はお前とは違う意味でお前の事が特別なの！！」

「え、そうなの？」

お「そうなんだよ！！もういいから行くぞ！」

「あっ…」




いきなりぐっと手を引かれ、思わず顔を上げて彼の顔を見れば微かに赤くなった耳



…もしかして照れてる？




「あの、おそま……」

お「っあーー！！そうだ桜まだ時間ある？あんならここら辺ぶらぶらしよーぜ」

「え、う、うん」

お「よっしそうと決まったらいこーぜー」




気のせいだったのかな



口笛を吹きながら前を歩くおそ松の手をぎゅっと少し力を入れて握れば、彼も同じくらいの力で握り返してくる



…まあなんでもいっか



手の熱があたたかくてそれまでの疑問はどこかに飛んでしまった

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