銀ノ魂篇/何度だって ページ35
圓翔が剣の鍔を天井に向けると、そこから光の玉が昇る。ふと小太郎と坂本に目を向けて、眉根を寄せた。
怪我だらけなのに、体力も大して残っていないだろうに、まだその目はしっかりと彼を見据えていたから。
光の剣を下ろそうとしたところで気付く。光の玉が段々小さく微かになっていったかと思うと、鍔から出てこなくなった。
そこで思い出した。坂本に撃たれた事を。恐らく彼は最初から、圓翔ではなくこの鍔を狙っていたのだろう。
身体に衝撃が走る。さっき圓翔が落とした光の剣で、小太郎が彼を貫いていた。
「俺達は、何も失ってなどいない。何度失っても何度奪われても、俺達はお前のように諦めない。何度だって人を愛して、何度だって人を憎む。いくらだってくり返してやる」
ドカァァ!! と圓翔の身体が吹き飛ぶ。指令部まで吹き飛ばされてきた圓翔に、解放軍が驚いた声を上げた。
「おっ……皇子!!」
「まっまさか……やっ、奴等……!!」
廊下の奥から、小太郎と坂本が壁に手をつきながら歩いてきていた。
解放軍は銃を構える。
「撃てェェェ!!」
「奴等をここに近づけるな!! 脱出を阻止されれば我等も船と沈む事になるぞ!」
「___そうかい。そうとはしらず、勝手にお邪魔しちまって悪かったな」
突然のそれに、バッと声のした方を見上げた。
そこに居たのは、春雨の元三凶星が1人 猩覚が率いる天人達と……血を流しながらも真っ直ぐに立つ、高杉晋助だった。
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年10月19日 19時