願い事 ページ14
その日の夜。
銀時に誘われて、Aは屋根の上に登っていた。
それを追って晋助と小太郎も来て、4人で屋根に寝そべっている。
「あ、流れ星」
暫く夜空に見入っていると、Aが呟いた。
それを聞いて、風流なんか知るかとばかりに銀時が騒ぎ出す。
「マジ!? おいA、なんか頼んだか?」
「ううん、速かったから」
「じゃあ次は準備しとけよ、何も願う事無ぇんだったら高杉君の手助けしてやれ。『お兄の身長が止まりませんように』って」
「おいそれどういう事だテメェ……!」
折角の満点の星空にも関わらず、また喧嘩を始める2人。
もう止めようとはせず、小太郎はAに声をかけた。
「Aは、何かお願いしたい事でもあるのか?」
「うん、あるよ」
「何を願うつもりだ」
「えっとねー、秘密〜」
ふふっと可愛らしく微笑むAに、それ以上の質問は出来ない。
小太郎がまた視線を上に戻すと、また星が流れて行くのが見えた。
「今日は流れ星が多いようだな。銀時、高杉、そこら辺にしておけ。お前等も1つ、何か願ってみたらどうだ」
「それもそうだな、いい加減コイツの幼稚さにはウンザリだ」
「それはこっちのセリフだ高杉バカヤロー」
憎まれ口を言い合って、喧嘩が終わる。
その間ずっと、Aは夜空を見つめていた。
「「「お、流れ星」」」
銀時、晋助、小太郎が呟く。
ピッタリ声が揃っていた。
「A、今度は願い事出来たのか?」
晋助に訊かれて、Aはやっと、目線を空から兄達に移す。
うん、と、夜空の星にも負けないような笑顔を浮かべながら頷いた。
「何を?」
「秘密」
お兄にもこれは教えられない、と唇の前に人差し指を立てる。
「何だよそれ、俺には教えてくれても良いだろ?なっ?」
しつこく訊いてくる銀時に微笑み返しながら、心の中でまた祈った。
『お兄達とずっと、こうしていられますように』
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時