【文スト】誘拐されました、助けてください。【中原中也】

Episode.１３ ページ14

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一瞬、俺と太宰の周りだけ時間が止まったかのように感じた。




真逆、こいつに、バレたのか………？

いや、そんなわけない。






中也「…手前、何を云い出すかと思えば」


そんな俺の言葉を遮り、太宰は続ける。





太宰「私ね、昨日、Aちゃんを本気で捜そうと思って、マフィアの情報員に住所を聞いたのだよ。
そうしたら、おかしいんだ。マフィアの情報員は、まるで以前調べたことがあるかのように、すぐに住所を教えてくれた」



中也「…何が云いたい」



太宰「君、マフィアの情報員に住所を聞いて、Aちゃんを攫ったのだろう？」





俺は、流石に驚いた。


こんなに早く、バレるなんて。





太宰「しかも、さっき私にAちゃんのことまだ好きなのかって聞いてきたけど…女性に興味がない中也が、そんなことを聞くなんてあまりにも珍しすぎる」





頭が回るヤツだとは思っていた。

しかし＿＿＿ここまでだとは、思っていなかった。





中也「…あァそうだよ太宰、俺が…Aを誘拐した。だから何だ？警察に通報でもするってのか？」




太宰は少し動揺するかのような顔を見せたが、すぐ落ち着きを取り戻し、云った。





太宰「通報なんてする訳ないでしょ？






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＿＿＿私も、Aちゃんを誘拐しようとしていたのだから。」

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