混血皇女【オリジナル】 (ページ10)

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幕間劇憂いの孤独ページ10

少年は孤独に蝕まれた。
大好きな姉を失い、母と弟は亡くなる。
残る父は毎日一族を守る戦いや王の務めに明け暮れる。

少年は独りきりになった。
いつしか、そう感じるようになっていた。

半分龍、半分狐の自分は嫌われもので、この血を持つのは姉と自分だけ。そして姉はもう、いない。

嫌われるぐらいなら、姉と共に消え去ってしまいたかった。母が自分と姉と弟を産まなきゃ良かった。

でも何故此処に存在している？

生まれてきたこと自体に意味がある、と学問の先生が仰った。しかし、少年はそれを元に思い浮かべた事があった。

｢生まれてきたこと自体に意味がある。ならば生まれること自体が罪だというのも意味があると言えるのではないか。｣

と。

そんな罪深き王子様の彼の、唯一無二の支えが双子の姉であった。

姉を崇拝し、姉を愛しく思い、姉を支えとしていた弟に課せられた｢孤独｣の試練。
そして、第一皇子としての多忙な日々。

全てが少年を追いやっていく。

少年は決意した。必ず、強くなってみせると。
姉に縋ってばかりではいけないのだ、と。

これから語るのは、たった独りになった少年の、心を強くしていく小さな小さなお話。