混血皇女【オリジナル】 (ページ8)

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見世物小屋で 3 ページ8

ここの店主…最初の案内人。名前を綜という。
綜は最初に彼女の祖父から聞いたのだ。

彼女が歳をとらないこと。種族間で忌み嫌われること。

だから、いつまでも金を稼ぐにはうってつけの道具だし、仕事の捌け口としても上出来な娘である。との説明を聞いた。

「おい蓮月、仕事だ。早く行け。」

蓮月はただの仕事の為の道具だった。
そして、客にとっての欲の捌け口になった。

毎日、毎日、汚れきった蓮月は言った。
「…自分を生まなきゃ良かったのに。」と。
父と亡き母に愚痴を溢す毎日。

「なんで、こんなことになったの？
僕には分からないよ。何でだよ、ねぇ。」

(弟を守らなきゃいけないのに。種族間で忌み嫌う大人から守って、「必要だ」って言葉をかけなきゃ…翔は独りで『孤独』と闘うことになってしまった。)

この頃、上級の花魁になった。
あの牢獄から解放され、遂に自分の個室を手に入れ、メキメキと力をつけてきた…というわけではなく、指名客が多くなっているのが現状だ。

「蓮月。お前にイイ事を教えてあげるよ。」
一番人気の花魁である、蘭(らん)。
彼女は気に入った花魁にはよく話しかけてくれるし、何より優しい。

「何でしょう。蘭姉様。」
蓮月は彼女の言葉を待つばかりだ。