【黒バス】君は、私の事覚えていますか？（赤司征十郎） (ページ9)

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Voice Ⅱ ページ9

孤乃葉は走り出した。

部屋に、急いで入り鍵を閉める。

瞳からは、涙が溢れ出してきた。

『何で、会いたいとか願ったんだろう・・・・。見てしまう現実を考えていなかったぁ』

ベッドに横たわると身をうずくめるようにして寝てしまった。

その時、夢に出て来たのは孤乃葉と征十郎が初めて出会った日の事だった。

～～～～～

その頃は、まだ孤乃葉が青葉雫という人間だった。

親も、友人も、兄弟も、学校の先生も、・・・・雫の見舞いには誰一人此処に来る物は居なかった。

たまに、看護士さんが来る時にはよく話したこともある。

でも、基本的に一人なので退屈な日々を過ごし続けていた。

ガラッ
いきなりドアが開いた。看護士さんが来る時間では無いので、布団に鼻までうずくめて様子をうかがう。

そこに入って来たのは、雫と同い年くらいの綺麗な赤髪の少年だった。

この人は、見たこと無いぞ？知らないぞ？

頭に大きなハテナマークを浮かべて恐る恐る尋ねる。

『あなたは、誰ですか？何用ですか？』

赤髪の少年は、ハッキリと答えた。

『名前は、赤司征十郎。』

やっぱ、この人知らないぞ。
私に、本当に何のようなんだろう？
さっさと、帰っていただけないかなぁ。

『あ・・赤司さんなんでこんな部屋に、来たんですか？あなた、私の友達じゃないような気がするんですけど・・・』

『今日は、妹に会いに来た。』