Rewrite the stars ２

ep.83 ページ35

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ハーマイオニーと別れたあと、Aが階段の柱の影に隠れていると、目の前を腕を組んだフレッドとアンジェリーナが通り過ぎた。
フレッドとは一瞬目が合い、何かを堪えるような苦しげな顔をされたが、どうして彼がそんな顔をするのかAにはわからなかった。
自分に相応しい子と歩いているのだからもっと堂々とすればいいのに と思っていると、さっき通り過ぎたのと全く同じ格好をした人が、全く違う表情を浮かべてAに手を差し出した。

「楽しそうね」
「パーティーが楽しくないやついる？君とか？」
「やめてよ、私だって今から楽しくなるわ」

差し出された手に指先だけ乗せ、二人は並んで会場に入った。
会場は氷のシャンデリアや氷のテーブルで一面雪景色のようで、演奏隊の楽器も氷のように真っ白だ。

「素敵……」
「君もね」
「いちいち言わなくていいのよ、そんなこと」

くすりと笑うと、代表選手たちがそれぞれのパートナーと一緒に会場に入ってきた。
既に顔を赤くしたハーマイオニーと目が合い、Aは大袈裟に拍手をしてやった。

「あれ、グレンジャー？見違えたな……髪がキラキラしてる」

Aは声を上げて笑った。
私がやったの と教えると、俺の髪もミラーボールくらいキラキラさせてくれよ と言われ、Aは笑いながら首を横に振った。

「パートナーの頭がミラーボールの私の身にもなってくださる？」
「最高じゃないか」

肩を竦めるジョージに手を引かれ、いつの間にか代表のダンスが終わっていたホールに導かれ、くるりと体を回される。

「足踏んだらごめんなさいね」
「イッテ」
「まだ踏んでないわよ、失礼ね！」



優雅とは程遠い、ダンスと呼べるのかも怪しいような足の踏みあいを繰り広げて一曲目ですっかり疲れきったAは、まだ元気そうなジョージを置いて氷の椅子に腰かけた。
どこにいてもすぐにAの目を引きつけてしまうフレッドから目を逸らすと、クラムに持ち上げられて楽しそうに笑うハーマイオニーの姿が見えた。
ジニーはネビルに誘ってもらったようで、後で絶対私とも踊らせようと決意した。



「僕と踊ってくださいますか、プリンセス」

意識を引き戻すように爽やかな声がかけられ、Aはその声の主を捉えた瞬間ため息をついた。

「お互いのパートナーに誠実じゃないわ」
「双子のもう片方をパートナーにした君が言うの？」

少し意地悪な声に、Aははっと息を飲んだ。

「＿＿＿見分けはつかないんじゃなかった？」

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