ep.84 ページ36
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「君を見る目が全然違うからね……チョウがレイブンクローの人と踊っていて僕は今寂しい独り身なんだ」
そうだ、この人の強引さを忘れていた。
ね？ともう一度手を差し出すセドリックにAはため息を吐き、大人しくその手を握った。
満足気に笑ったセドリックがエイミーの腰に手を回し、柔らかく手を握り直した。
「リータ・スキーターがこっちを見てる」
「気にしないよ」
「ああほら写真を撮った…明日の一面は私とあなたで決まりね」
「それは光栄だね」
何を言ってもにっこりと笑い返されるだけで調子が狂う。
Aはセドリックに笑い返すこともできず、ただ早く一曲が終わってくれないかと願うばかりだった。
スローテンポな曲が終わり、やっと解放されたとばかりに椅子に戻るAを、ジョージはAが元々座っていた椅子に腰かけてにやにやして待っていた。
「結局踊るんだな」
「本当に強引なんですもの……チョウがすごくこっちを睨んでた。」
ジョージは フレッドもな と言いかけて、双子の自分にすら鋭い目を向けてくるフレッドの姿を捉えて口を閉じた。
「あ、フレッドがアンジェリーナから離れた……俺はじゃああいつのフリをして彼女と踊ってくるかな」
Aは勢いをつけて立ち上がって行ってしまったジョージの後ろ姿を見てため息をつき、次々と手を差し伸べてくる生徒＿主にダームストラング＿を拒み続けた。
「モテモテね、A」
「ああ、ジニー……ネビルはどうしたの？」
「飲み物を取ってくるって。疲れちゃったから休憩」
隣に腰かけたジニーの髪を意味もなく三つ編みにしながら、Aは何度目かもわからないため息をついた。
「まだ仲直りしてないの？」
「仲直りというか……正直もう終わってしまった気しかしないの」
「そんなわけないわ！もう、フレッドは何して＿＿」
「愛しのお兄様を呼んだか、ジニー」
どこからともなく現れたフレッドをジニーは睨みつけ、Aは二人が話している間にふらりとどこかに行ってしまった。
「追いかけて」
「何？」
「早く追いかけなさいよバカ！」
「おーっと兄に対してその態度は＿＿＿」
「いいから！早く！追いかけなさい！今すぐ！」
ネビルが持ってきた飲み物を今にもフレッドにぶちまけそうな勢いで怒るジニーから逃げ、フレッドは仕方なくAを探した。
仕方なくと言ってもAと話したくないわけではなく、ただただ嫉妬に狂ったダサい自分が綺麗な彼女に釣り合うわけもないというだけだ。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
