010.二人で ページ10
.
やばい。今日急遽バイトのシフトを入れられて、帰るのが遅くなってしまった。成宮さんまだ帰って来てないよね…?
掃除、洗濯、食事。
この3つをこなさないと追い出されてしまうのに。
帰ったらすぐ夕飯の支度に取り掛からないと。
エレベーターから飛び降りて、成宮さんから貰った合鍵で扉を開ける。
「……わっ!!」
直後に視界に入ったのは、玄関で腕を組んで待っていた成宮さん。
「遅いっつの。腹減った」
しかも、不機嫌度MAX。
私はあははーと長く尾を引いて笑い、頭をかきながら「今から作りますね」ととりあえずの低姿勢。ものすっごく癪だけど、これ以上彼の機嫌を損ねたら野宿確定だ。
靴を脱いで家に上がろうとすると、「黙ってそこにいろ」と制され、成宮さんは部屋に消えた。
え、たった一回のミスで切り捨てられた?
大きな不安要素が体にのしかかる。それでも成宮さんの言う通りにし、玄関で待った。
そして成宮さんがまた姿を現したと思えば。
「飯、食いに行くから」
「あー…わかりました」
私が作り終わるのを待ってられないと、そういうわけですか。まあいいんだけど。靴を履いて私を通り過ぎて扉を開けた成宮さんの背中に「いってらっしゃい」と言った。
すると「は?」と眉間に皺を寄せて扉に手を掛けたまま振り向いた。
なに、その“何言ってんだこいつ”とでも言いたげな顔は。
「いってらっしゃい、じゃねーよ」
「え」
「だーかーらー来いって言ってんの!わっかんないかなー。晩飯食べに行くって言ったろ」
「わ、私も一緒でいいんですか」
「エース様が一人で食事とか寂しいだけだし」
成宮さんの可愛げある一面が見れて、自然と頬が緩む。私は脱ぎ掛けていたヒールをきちんと履き直し、成宮さんの隣を歩いた。
丁度良いタイミングでエレベーターが迎えに来てくれて、二人で乗り込んだ。
「成宮さんの奢りですか?」
「まーね」
「わあ、さすがエース!」
「だからって食べ過ぎんなよ。もっと太るからな」
「もっとってなにもっとって!!私標準だから」
「敬語」
「すみません調子乗りました」
小学生みたいな幼稚な会話を監視カメラの前で続けていると、やっと一階に着いた。
.
143人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅまろーず(プロフ) - 夏乃実さん» 成宮くんと元カノさんの区切りがやっとついたので、成宮くんには夢主さんとのデートを楽しんでもらってます笑 いえいえ、そんな私なんてまだまだです…!ありがとうございます( ´ ▽ ` ) (2017年3月27日 8時) (レス) id: 8071ad0c84 (このIDを非表示/違反報告)
夏乃実(プロフ) - 初コメ失礼します!!毎回毎回ドキドキしながら読ませてもらってます。鳴ちゃん書くのがとっても上手くて尊敬します!更新頑張ってください^^* (2017年3月26日 23時) (レス) id: 926ac8ac50 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろーず(プロフ) - *.-+樺虹+-.*さん» いえもう本当に私の理想の成宮くんを書いているだけなので…!笑 イケメンさを表現できているなら安心しました笑 樺虹さんありがとうございます!更新頑張ります♪( ´▽`) (2017年3月23日 22時) (レス) id: 8071ad0c84 (このIDを非表示/違反報告)
*.-+樺虹+-.*(プロフ) - 突然コメント失礼します!もう鳴がイケメン過ぎてやばいです!! 占ツクから通知来ると、bitterhomeかな??って思うほど楽しみにしてます!!これからも頑張ってください!! (2017年3月23日 18時) (レス) id: 7b9748159c (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろーず(プロフ) - 胡美さん» 御幸くんはここでは成宮くんの友人ポジションという、キューピッド役になると思います笑 作者が真田くん好きなので出してみました! ありがとうございます^_^ (2017年3月20日 15時) (レス) id: 8071ad0c84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ましゅまろーず | 作成日時:2017年3月2日 18時