【◇】Bitter Home

002.惚れないでよ ページ2

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嫌な予感しかしない沈黙の中、ごくりと固唾を飲んで成宮さんの次の言葉を待つ。

そして成宮さんはビシッと指を三本立てる。





「掃除、洗濯、食事。この3つを完璧にこなせる自信があるなら別にいいけど？」

「ぐっ……」





ほらきた。

この人は私を住ませる気じゃない。家政婦として、タダ働きさせるつもりだ。その証拠に、口元は笑ってるけど目がマジというなんとも不気味な表情を浮かべている。





「で、どうすんの」

「…………やりますよ！！掃除、洗濯、食事！」





半ば八つ当たりで逆ギレする。

もうどうにでもなれ。

最悪、寝るところさえ確保できればそれでいい。


成宮さんは「そ。じゃあ契約成立ね」と両手を頭の後ろで組んで歩き出した。これは着いてっていいってこと…だよね。

なんだかんだで私を家に置いてくれる成宮さんに安心した。好感度は微塵も変わらないけど。



成宮さんは「あ」と何かを思い出したように呟く。私はなんだろうと首を傾げる。





「住んでもいーけど、絶対におれに惚れないでよ」





本気で私が成宮さんなんかに惚れるとでも思ってるのか。だとしたら自意識過剰すぎるでしょ。私が彼を好きになる要素は一つもない。

世間に騒がれるだけあって、見た目はイケメンな方に分類されると癪だけど認めざるを得ない。

それでも、私は大人っぽくて爽やかな人がタイプだし、年上のくせに子供っぽい成宮さんは論外の中の論外。





「地球が滅んでもあり得ないんで、安心してください！」





宇宙が滅んでもあり得ない。





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