魔法使い、走る ページ18
K-side
「………あっ!けんじろ、君……
んんっ…ん、痛っ…い、
けど…気持ち、良い………」
まった、えろい声出しよるなぁ……Aは。
窓、開いとるっちゅうねん。
ご近所さんに絶対勘違いされてるわ〜………
9月の終わり。
ついこの間まで暑くて息苦しかった夏の空気が、少しずつ和らいで、時間帯によっては窓から涼しい風が入るようになった。
「A?
……なんちゅう声出してんねん、お前は。
ご近所さんに誤解されてまうやろ?
ただのマッサージしてるだけやのに……
窓開けっぱなしやからな?」
「えっ!?やだー!!」
開け放たれた窓から声が漏れていたことになのか、あるいは、甘い時間にだけ漏れるはずの可愛い声が出てしまったことになのか、分からないけれど、Aは恥ずかしそうに顔を赤らめている。
俺がマッサージの続きをすると、口に手をあてて、それでも漏れようとする声を我慢しようとする。
『可愛いなぁ……A。
…なんや、したくなってきた…』
けれど、今、Aは、全身を筋肉痛に襲われている。
ちょっとでも身体を動かすと痛いらしいので、たぶん、激しい運動はしばらくお預けやな……
事の発端は、Aたちの幼稚園の運動会だ。
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月30日 23時