【◇】18 -eighteen-

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「あ、そうだ……」




Aは荷物の中をごそごそと探ると「じゃん」と××スポーツと書かれたなんとも言えない包装紙で包まれたそれを俺に渡す。




「お誕生日おめでとうございます！」

「…さんきゅ」




「開けてい？」と尋ねると少し戸惑った後、「どうぞ…」とうなずく。

破らないようにそーっと包装をとくと、バッティンググローブが入っていた。

それを見て黙る俺に、Aは焦ったようにぺらぺらと話し始める。




「あ、気に入らなかったら全然いいです！捨てても！オークションに出してもいいですよ！」

「………」

「いらなかったら返品で構いません！私が使います！私が！」

「………バカ」




ごそごそと袋を開けてきゅっとはめると、顔を赤くしてぽーっと俺を見つめているAに、「かっこいい？」と冗談めかして笑う。

全力で「かっこいいです！！」とうなずくA。




「ありがと、もらっとくわ」

「………気に入ってもらえたなら…なによりです」

「……お前、そんな俺のこと好きなの？」

「は、はいっ！？」




今日1日で、ありえないぐらい尽くしてくれたAに、バッティンググローブをにぎにぎしながら聞くと暫く困ったようにうろたえた後、

真っ赤な顔でこくりと頷いた。




「……へぇ」

「………」




あぁ、誕生日のせいか？


胸の奥の方が、きゅーっとなるのは。




「先輩」

「………ん？」


「生まれてきてくれて、ありがとうございます」




笑顔で言ったAに、なんだかすげぇ照れ臭くて、俺はキラキラ光る海を見たままハッと笑って「大袈裟」とAの頭を小突いた。


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