【おそ松さん】違って【おそ松】

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ふと目をさます。





覚醒しきれない頭で、寝ていたはずなのに、まだ眠い、なんて思ってしまう。





少しの間ぼけっとしたあとに、考える。





今何時だろう。





屋上に時計はないため、確認は出来ないけれど、なんとなくお腹がすいてきた。





あれ、そういえば、松野先輩は？





ふと思い起こし、立ち上がろうとするけれど、何かにせきとめられるように体が動かない。






「…んぅ、あれ…」








もぞもぞと動いて、逃れようとするけれど、動けないもどかしさに、まだ夢なんじゃないか、と錯覚をおこす。





ほっぺをつねるといたい。





しかも、体温も感じる。





「…んぇ、金縛り…？」





目をぱちくりさせているハズなのに変わらない視界。





不思議なことに、起きているのに起きれない。





松野先輩の香りもとってもするし。









.









.









…ん？体温も感じる…？





私は、ハッとして、腰あたりの下にある、物体に触る。





ふにふに、とたしかに感じる人間の肌。





目の前に広がるのは、先輩のイメージカラー、赤。





なんとかもぞもぞ、と動いて気づく。









私、松野先輩に抱き締められてる…？





頭でそう理解して瞬間に顔が真っ赤に染まるのが分かった。









近くには松野先輩の寝顔。








大好きな香りも体全体に広がる。








「ぇぇ…」








混乱する頭に追い討ちをかけるように、更にぎゅっと抱き締めてくる先輩。





「…はなれん、なぁ…」





耳もとで呟かれて、なんだか恥ずかしくなってしまう。









押し付けられる体中に、分かりやすくついた筋肉。





男の人にこんなことをされるのは初めてだし、もう頭がパンクしそうだ。







「まつの、せんぱ、」





高鳴る心臓を、先輩に知られたらどうしよう。寝てるけど。





早く離してもらいたいけどこのままでもいたい。





とりあえず先輩に声をかけると、いつもより低くて、掠れた声と吐息が耳にかかって、くすぐったい。





「…ん、」





「松野先輩…」





もう耐えきれない。おさえきれない心臓に耐えかねて、やや乱暴に先輩の胸板を叩く。









.









.









「…ん、ぁ、おはよ、A…」

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