【おそ松さん】違って【おそ松】

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「おーい！チョロ松！頼んだ！」





前日練習だというのに全力で走ってくるクラスメイトからバトンを受け取る。





「なんでそんないちいち感動的っぽい受け渡しなんだよ…明日が本番だぞ。」





なんてぼやきながら走り出す。





「うわーやっぱアイツはえーわ」





「あのばかみたいに運動神経良い六つ子の中でも1番速いらしいしなー」





もうグラウンドには俺のクラスの、しかもリレーメンバーしか残っていない。





だから無人のゴールテープをきって、クラスメイトの方へ戻っていった。





「なんだってお前らはこんなにやる気あんだよ」





僕は早く帰りたかったのに、なんてまたぼやくと、クラスメイトは笑った。





「だってお前がいれば一等賞間違い無しじゃねーか！」





「学年対抗でもいい線いけるかもだな！」





そんなことを言われて、満更でもなく、少しテンションがあがる。





すると、肩をがっと組まれて





「よーし！明日は優勝目指すぞー！」





「お前らばかかよ…3年もいるんだぞ？」





そんな言葉も聞かずにバカ騒ぎするクラスメイト。





ずっと高校の体育祭でこのやる気って…なんて無愛想にしているが、内心は楽しんでる僕。



「…ん？あれって松野の…長男じゃねーか？」





ふとそう言われて指さす方向を見る。





その方向には、女子と仲良く歩くおそ松兄さんの姿があった。





お相手はもちろん高久さんで。






「かーっ、アイツなんだよ！学年1の美少女と並んで歩きやがって！」




おそ松兄さんは、多少ビビられてはいるものの、持ち前のばかさで男子と上手くやっていた。





「でもなんか邪魔できねーな、あの感じ」





クラスメイトがウザ絡みに行きたかったのに、みたいなニュアンスでそういう。





僕も日頃の懸念をかけて少しは邪魔しようと思ったのに。





ーすごいいい感じじゃないか。





一見釣り合わなさそうに見える二人だが、こうしてみると、なんというか、くやしいけど、少しお似合いだ。






それに、もしかしたら高久さんはおそ松兄さんのこと…気になっているのかもしれない。







あれはそう見えても仕方ない。





本当に高久さんがおそ松兄さんのことを好きなんだとしたら、うまくいくのも時間の問題かもしれない。




「じゃな！チョロ松！明日はよろしく！」





俺はクラスメイトに軽く手を振ると、校門を出た。




「おそ松兄さんめ…」







若干恨めしく思いながら

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