【ハウルの動く城】君に捧ぐ花束

73.ネリネ ページ25

カランカランと懐かしい音がした
思わず涙が零れそうになった


「いらっしゃいませ！今日はどんな花をお求めですか？」

『お久しぶりです、･･････お母さん』



花を切る用意をし始めたお母さんにそう呼びかければ、ビクリと肩を揺らした


ゆっくり振り向くお母さんとしっかり目が合った



母「･･････A、本当に、Aなの？」

『そうだよ、お母さん。ちょっと、痩せたね』

そう笑えば、お母さんは泣きながら私を抱きしめた


母「･･･もう、大丈夫なの？」
『うん、大丈夫。呪いも、解けたよ』

母「よかっ、た！本当に、良かった！」

『心配かけて、ごめんね』

母「いいのよ･･･こんなに大きくなって･･･あれからもう3年、本当に綺麗になったわ」

『ありがとう･･･あのね、お母さん』


ハウルのことを切り出そうとしたら私の肩に手が置かれた

ﾊｳﾙ「初めまして」

母「！？」
『ハウル！ちょっと待っててって言ったのに！』


母「誰？知り合い？」






.







.








.



母「あなたが“ジェンキンス”で“ペンドラゴン”で“ハウル”、？」

ﾊｳﾙ「そうです」

『ハウルが、私の呪いを解いてくれたの』

ふぅ、と息をついたお母さんはじっと私をみた

母「A･･･その、指輪の相手も彼かしら？」
『！？』

ﾊｳﾙ「はい」


私の隣でいつも通りに微笑みながら答える


母「よかったわね、A、素敵な人に出逢えて

幸せになりなさい」

『！っうん、ありがとう！』

母「ハウルさん、娘をよろしくお願いします」
ﾊｳﾙ「はい。必ず、幸せにしてみせます」









.









.




母「じゃあ、またね、A。花屋、ちゃんと繁盛させるのよ？
あなたならきっと大丈夫だから

でも、辛くなったらいつでも帰ってきなさい？」

『うん、また会いに来るね、お母さん』

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