3年A組 【ゆる〜く日常もの】2 短編

誰がために鐘は鳴る 3 ページ4

放課後になり、あたしは一人誰もいない理科室に入った。
理科室の窓には遮光カーテンがされている為、あたしは部屋の電気を付けた。









そして少しすると理科室のドアが静かに開いた。
開いたドアから入って来たのはやはりあのストーカーの先輩だった。







先輩「やっと2人きりになれたね…。
Aちゃん…」







A「あの…最近あたしをずっとつけてましたよね？」








あたしは恐る恐る質問してみた。






先輩「そうだよ…。
君をずっと見てきたんだ。
君があんな男を隣に置いたって偽の恋人だってすぐに分かってる」







A「どうしてこんな風にあたしをつけてたんですか？」







先輩「君を僕のモノにしたかったからさ。
君のことなら全部知っているよ。
君があの目障りな男と仲が良いのもね。」






男はじりじりとあたしに近づく。








あたしも一歩ずつ後ずさる。
壁に当たり、もうこれ以上は下がれない。







あたしはぎゅっと目を瞑った。







先輩「もう逃がさないよ…。
君は僕のモノだよ…」








先輩が一気にあたしに駆け寄ろうとしたその時、理科室の電気がいきなり消えた。







先輩「な、なんだ！？
暗くて全然見えないっ！」








真っ暗になった理科室。
どうやら先輩は目が慣れず、全く見えていないようだ。








あたしは強く閉じていた目をゆっくり開けた。
少しの間目を閉じていたせいであたしは暗闇の中でも平気だった。







すると手をパシッと掴まれた。






甲斐「大丈夫か！？」





すぐ隣に隼人の声が聞こえた。
あたしの手を掴んだのは隼人だった。






A「う、うん！」






すると、今度はまたいきなり理科室の電気がついた。








いつの間にかあたしの目の前にはえみなと友美と凜が横に一列に並んであたしをガードしていた。







先輩「な、なんなんだよっ！」







甲斐「今だっ！」








隼人の掛け声に、理科室の机にそれぞれ隠れていたA組の須永、石倉、中尾が先輩を一気に取り押さえた。







凜「ナイス！甲斐軍団っ！」






先輩「く、くそっ！
なんなんだよっ！」







須永「残念だったな」





石倉「観念しやがれっ！」







先輩は3人に取り押さえられながらジタバタしている。








そして勢いよく理科室のドアが開いた。
開いたドアからは、森崎先生、武智先生、佐久間先生が入ってきた。

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