アイドルらしく�� ページ15
『清海A』
「沈んでるのう、嬢ちゃん。」
『……さいあくだ。』
練習終了後、慌てたように帰っていくゆうたをひなたが追いかけていった。
もう話せないかもしれない、何で？
優しく撫でてくる朔間さんの手も、抵抗する気になれなくてそのままだ。
体育座りで顔を伏せているから顔は見えないのに、優しく笑ってくれているだろうと言うことは想像できた。
薫さんはすぐに女の子との予定か何かで帰っていったし、見た目に合わず生真面目な二年生のふたりも早々に出ていった。
今レッスン室にいるのは私と朔間さんだけ。
不思議と安心できるこの空間で、私は素直に朔間さんに身を委ねる。
『何でだと思います……？』
「想像の域を出ないからのう。我輩から言ってしまうとゆうたくんが嫌じゃろうし。」
『だって急にですよ？ あの前に私と録画も見てくれたのに急に……』
「ゆうたくんにはそうなる何らかのきっかけがあったんじゃよ。『急に』で片付けるのは感心せんな。」
『ゔっ、だって……』
「考えを放棄していない嬢ちゃんは偉いと思うぞい。ゆうたくんも多感な時期じゃし、落ち着くまで待つしかなかろうて。」
朔間さんの言うことは正しい、けど……それだけじゃ納得できるはずもない。
何で、という疑問も消えない。
『朔間さんは、人を避けたことありますか……？』
「人を避けた……か。まあ我輩もそんな人間らしいことをした思い出はある。」
『！ 何ででした？ 何かされたんですか？』
「ノーコメント。我輩とゆうたくんとでは違いがありすぎじゃからな。」
『ゔぅ……！』
「何じゃそれ？ 『威嚇』か？ 可愛いのう♪」
少しだけ顔を上げて目を細めながら唸ると、微笑ましげに見つめてくる朔間さん。
ため息をついて、私は立ち上がった。
『もう帰ります。『S1』の流れ、頭に入れなきゃなんで。』
「えーもっと我輩とお話ししようぞ〜？」
『全部『ノーコメント』で返される未来しか見えないので。そもそも、私がゆうたに悪いことをしてしまったなら自分で気づかないと意味ないですし。』
そう言い、カバンを肩にかけてレッスンルームを出ようとする私を「まあ待て」と朔間さんが呼び止めた。
「……なら、一つだけ確実なことを教えてやろう。」
『確実なこと？』
「その代わり、我輩の頼みを一つ聞いてくれるかや？」
月光を浴びて笑む朔間さんは、アイドルの影なんてなく、私が初めて見る『吸血鬼』の顔をしていた。
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生しょうが - 澪。さん» 同感です…！楽しみにしてもらえて嬉しい限りです！更新頑張ります！ (2022年9月4日 22時) (
レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
澪。(プロフ) - 司くんは丸いぐらいが可愛いですよ、😌 いつも投稿楽しみにしてます！身体には気を付けて頑張ってください〜🔥 (2022年9月4日 20時) (レス) @page38 id: ebb5373f91 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» コメントも応援もありがとうございます！ぜひぜひ楽しんでいってください！ (2022年8月18日 22時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも楽しみに読ませていただきますね〜！ (2022年8月18日 21時) (レス) @page4 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月18日 13時
