乱闘に混ざって�� ページ35
『清海A』
おぉ…んやるな、あの『鬼龍紅郎』って人。
戦意をまるで感じないくせに、いつだって技はキレキレだ。空手部って言ってたし、『喧嘩』って感覚でやってねえのかも。
思わず見惚れてしまうほどの美技に感心する。
それを綺麗に流し切っているあの先輩も。
近くにいた鉄虎に『なあなあ、』と話しかけた。
『あのギターの先輩の名前ってなに？』
「『大神晃牙』先輩ッスよ。『軽音部の噛みつき魔』って呼ばれてて……でも大将はッスね!?」
軽音部の噛みつき魔……『大神晃牙』か。
何故か鬼龍さんの自慢を始めた鉄虎を無視して、ステージ上に視線を戻すが、そこに大神先輩の姿はなかった。いや、その『真上』に、ちゃんといた。
どうやら吹っ飛ばされてしまったようだ。
『……決まったな』
「さすが大将！」
目を輝かせて鉄虎はマイクを持ち直した。
何か……嫌な予感がする。
「大神先輩、嘘みたいに吹っ飛んだ〜！ まるで車に轢かれたみたいにっ、さながらワイヤーアクション♪
「けれど、これは特撮ではありません！ マジもんの生本番ッス〜☆
「大神先輩、このままリングアウトで負け確定か〜っ!?」
鉄虎がそこまで実況すると、急にぶちんっと何かが切れたような音がする。
マイクの電源が落ちたようで、鉄虎は「今が『いいところ』なのに〜！」とマイクの電源を切ったり入れたり色々しているが、直せそうもない。
嫌な予感ってのは結構当たるものだ。
こんなことするのは、『あいつら』しかいない。
そう確信した瞬間、「はい、そこまで〜♪」という無邪気な可愛らしい声がした。
私の友達の声が。
「はしゃぎすぎだよ家畜ども。こんなに騒いでさ〜、ボクたちに気づかれないとでも思った？」
「げぇっ、生徒会のチビッコ!?」
「チビッコって言うな！ 生意気だぞ校則違反者のくせにっ、控えおろう！」
ぷくっと頬を膨らませてから胸を張る。
そして満足げに微笑んだ。
「ふふ〜ん♪ すでにこの非公式ドリフェスの会場は包囲されてるっ、おとなしくお縄についたほうがいいよ劣等生ども〜？」
『……桃李。』
「あれっAだ〜！ どうしてこんなとこにっ？ ダメだよ、Aに変なのが感染っちゃう！ こっちおいで〜♪」
ぴょんぴょんっ♪ と楽しそうに飛び跳ねながら私を呼び寄せる桃李。生徒会に入ってなければ……なんて、強欲かもな。
その声に、私は小さく手を振るだけだった。
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一織(プロフ) - 生しょうがさん» 返信ありがとうございます！！ぜひぜひこれからも応援させてください…！！ (2022年8月13日 23時) (
レス) id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - ♡ろぉる♡さん» コメントありがとうございます！一番だなんて…！嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！ (2022年8月13日 18時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
♡ろぉる♡ - すごい好みの作品です！今までで一番好きです！更新頑張ってください！ (2022年8月13日 17時) (レス) @page26 id: fb36bde41e (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが - 一織さん» ありがとうございます！良ければこれからも応援してくださると嬉しいです！ (2022年8月13日 11時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
一織(プロフ) - 初コメ失礼します、すごく好みな作品にやっと出会えました！ありがとうございます！ (2022年8月11日 23時) (レス) @page13 id: a117ee3fb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが x他1人 | 作成日時：2022年8月11日 14時
