白い悪魔＿瓦解の章《エイリア学園》《吹雪士郎》

第十四話「ナニワランド」 ページ2

from,furisame.

「遊園地とか初めて来た」
「だね〜」

大阪、ナニワランド。
俗に言うテーマパークの類であるそこは、
まぁ遊園地らしく人で溢れていた。

…ここに、イプシロンの練習場があるとか。

「絶対嘘だよね」
「ま、まぁ、探すだけ探してみようぜ！」
「Aちゃん、一緒に行こう？」
「あ、うん」

各自分かれて探索。
そう監督がいった途端、あたしの皮膚に気を使った力の強さで、吹雪が腕を掴み引っ張ってくる。
…お腹空いたな…。

「さっきクレープ食べたいって言ってたよね？
買いに行こうか」
「え？あるの？てかあたし声に出してた？」
「思いっきり」

くすくす笑う吹雪になんだか恥ずかしくなって顔を逸らす。クレープおごらせてやる。

さっき園内地図を見て覚えてたのか、
吹雪は迷いなくずるずるあたしを引っ張る＿別に痛くないけど、なんか恥ずかしい。なんだこれ。
あたし今どんな状態だ？

「Aちゃんは何味食べる？」
「は？…メニュー見ないとわかんない」
「あはは、それもそうだね」

でも今は苺の気分かなぁ、と溢すとじゃあ僕は苺にしようかな、なんて言われる。
…なんで？

園内を進むと、広場のような場所にクレープ屋の屋台が出ていたので黒板に貼られたメニューを覗く。
あんまり変わったものはさして見当たらない＿ちょっと期待してたんだけどな。

「吹雪は？」
「苺チョコ。Aちゃんは？」
「チーズケーキ」
「…チーズケーキ？…わ、ほんとにある…」

とりあえず目についたせいで一気にその気分になったチーズケーキを注文する。
これどうやって巻くんだろう…？

ちなみに後で会計時に抜け出してベンチに座った。
さっきの仕返し。強制奢りだ。

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