＊ ページ13
慧「言えない。」
A「へっ、」
慧「ごめん、今は言えない」
A「は…！」
一瞬にしてこわばっていた体の力がふにゃんと抜けた。
瞬間、伸びてきた腕が私を優しく包んだ。
慧「…ごめんね。」
いやいや、ここでハグとか、距離感がおかしくない？帰国子女なのか…？
なんて、頭の片隅では思うのに、なんとなく嫌じゃなくてされるがままの自分がいた。
あったかい手が何度も私の頭を優しく撫でる。
なんだろう。
私、最近心が荒みすぎていたのかな。
どうして泣きたくなるんだろう。
さっき和くんと肌を重ねたばっかりなのに、久しぶりに人の温もりに触れた感じがした。
慧「一個…お願い、聞いてくれたら、教えてあげても良いけど…」
A「ん…何ですか…？」
なんとかぐずぐずと涙を堪えて顔を上げたら、慧がにっこり笑って信じられないことを言った。
慧「あのね、俺、他に行くところないの。だからここに置いて？1ヶ月でいいから」
ね、って彼は、首をこてんってして笑った。
は。
A「はぁ！？ダメです！」
慧「えー！何で！あ！もしかしてこれから彼氏が帰ってきたりする？」
A「え、しないけど…そんな人、いないし、」
一瞬和くんの笑顔が過った。
違う違う。あの人は全然、そういうんじゃないじゃん。だいたいここには来たことないし。
慧「いないの！？良かったぁ！」
良くない！何も！
慧「お願い！俺、金も持ってないし、住むとろもないし、マジで1ヶ月で良いから」
A「む、」
り、と言いかけた私の唇を、彼の綺麗な指がむに、って抑えた。
慧「1ヶ月ここに置いてくれたら教えてあげる。俺が誰か。」
A「え、ほんと…？」
慧「ここに置いてくれないなら、今すぐ出てく。もう二度とAの前には現れな、」
A「それは嫌！！！」
慧「ほぇ、」
A「え？」
…私、今なんて？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1062人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！できればパスワード教えてください！ (2018年7月23日 13時) (
レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです！パスワードを教えてくれませんか？ (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです！伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト！尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい！ずっと、応援します！ (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、！また更新たのしみにしてます！！ (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん！私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます！更新頑張って下さい！ (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃみ
| 作成日時：2018年6月21日 20時
