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A「すみません、下手くそで…」



絆創膏で覆うには傷の範囲が広くて、
包帯とガーゼを使ってみたら、慣れていないせいか、随分大げさになってしまった。




慧「なんでぇ?上手だよ、ありがと」




彼はそんなの気にも留めない様子で、肘を曲げたり伸ばしたりしながらゆるりと笑う。




慧「Aは?ケガしなかった?」


A「…大丈夫」


慧「よかった」



笑うとくしゃりとなる目元。
初めて会ったはずなのに、ストーカーかもしれないのに、


…やっぱり、ほっとしてしまう。どうしてなんだろう?






慧「…ごめんね」





綺麗な手がそっと、私の頭にぽんぽん、と触れる。





慧「急にこんなやつが家に来たら、そりゃびっくりするよね…」





あったかい手。
少しずつ警戒心が溶けていく。





A「…ストーカーじゃ、ないんですか?」




おそるおそる聞いたら、へらっとした笑顔が返ってきた。





慧「ぜんっぜん違うよ!カミニチカイマース」




胸に手を当てておどけてみせる彼に、思わず吹き出す。




慧「あ、笑った」




彼はそんな私を見て、とても嬉しそうに目尻を下げた。



どうしてそんな風に…



大切な人を見るみたいに、私を見るの…?






A「じゃぁ、誰…?」



慧「んー、俺は、慧だよ?」



A「そういうことじゃないよ…!」



慧「ふは、だよねぇ」




くすくすと肩を揺らしながら立ち上がった彼は、クッションを抱っこしてソファにぽすんと座った。



慧「ぜんっぜん思い出せない?」


A「うん全然」


慧「そっか…」




一瞬だけ下げた視線が、寂しそうに見えたのは気のせい?




慧「ちょっとここ座って?」





そう言って、ソファの横の空いたスペースをぽんぽんと叩く。
まるで彼の家のソファであるかのように、すっかりリラックスした顔で笑って。




慧「俺が、どこの誰かって言うとね、」


A「う、うん…」




こくり。


思わず喉の音が聞こえるんじゃないかっていうくらい、緊張してひとつ、唾を飲み込んだ。

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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時

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