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じゃあ準備するかと動き始めたシロ達に、
まふまふは慌てた様子で声をかけた。

「まって!」

じゃあ見送るか〜
と動き出していたそらる達もまふまふを振り返る。

「トロイトに、
厄介な能力者がいるらしいんだ。
名前は分からないけど、
自らの体を
相手に誤認式させることが出来るらしい」

「んん?つまり?」

誤認式?と首を傾げる坂田。

「変装技術なしに、
姿かたちを好きなように見せれるってことか?」

ほら、幼児のなりきりごっこの
最高ランクみたいなもんやろ、と志麻。

「そ、それはちょっと違うと思うけど……
とにかく、見ても分からない。
これだけは、シロちゃんが頼りだね。
あとは、出会う人誰も信用しないこと。」

「ちょ、ちょっと待ってください?」

いいね?と言うまふまふの言葉を
半ば遮るようにしてシロが言う。

「視覚に訴える完全催眠ってことですよね?
それ、まずいです」

「え?」

「私は触れなきゃ解除できません。
脳が誤認したら私も触れるまでは分からない。
そして、私の能力にはある弱点があります」

上層部以外誰も知らない話。
当然だ。
最終兵器とも言えるであろう
最高ランクの能力者。
そんな彼女の弱点が
易々と世間に漏れていては困る。

「素肌以外は効きません。私の能力」

『!!!』

賢い組がハッとして顔を見合わせる。

初対面の人間だ。
まず身体に触れるのが難しいだろう。
シロの演技力は未知数なのだ。
天月やセンラが
言葉巧みに握手まで持ち込んだとして、
確かに握手の時は手袋を外すのがルール。
というかマナーだが。
怪しいと思っている相手に、
素肌を晒すような真似をするだろうか?

「ちょっと実践してみよう」

まふまふが言ってそらるに手招きする。
シロはそらるの服の上から手を当てた。

「…まじだ……」

ごぷ、と掌から流水が流れ落ちた。
器用にもうらたがコップでキャッチする。

「じゃあ、
センラと天月の話術しだいってこと?」

坂田がひきつった顔でそういった。

「いや、何も全員が全員その変体能力者じゃない。
たった1人。見分けれさえすれば、あとは」

「いや、ちゃうやろ。
次会う人もその変体能力者の変体かもしれん」

「じゃあ全員シロちゃんに
素手で触らせるしかないってこと?」

しん、と室内が静まり返った。

「何?俺の話?」

『っ?!?!』

背後から低い声音が響き渡る。
全員が全力で振り返るが、そこには誰もいない。

「変体能力って…語弊ありまくりじゃね?」

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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年8月9日 11時) (レス) @page5 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
飛行 - コメント失礼します。設定やストーリーがめっちゃ好みです!更新楽しみにしてます! (2021年1月24日 13時) (レス) id: 389db75038 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 煮凝りさん» やったぁ!!なんかなるせちゃんっぽい口調だなと思ったのでww どうなっていくか楽しみにしてますね!! (2020年9月19日 22時) (レス) id: 7872226c18 (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - 月さん» ヴッ……ま、負けました……笑 (2020年9月19日 22時) (レス) id: aa379d1352 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え、、、気になります〜!歌い手なのか?なるせちゃんとかしか思いつかない・・・  楽しみにしてますね〜! (2020年9月16日 20時) (レス) id: 7872226c18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2020年9月12日 20時

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