長く退屈な日々の中で２【クザン】

７１匹目 ページ26

再びインペルダウン LEVEL６








看守さんに案内され、ジンベエの牢だと言われた前に立つ




中は暗いが、目を凝らして見ると




確かに大きな影が荒い息遣いを立てている




貴「ジンベエ……？

ジンベエなんだよね？」




わかってはいたが、信じたくないという自分もいる




ジ「なんじゃAさん……

もう聞いて来よったんか……」




影が僅かに動き、弱々しい返事が返ってくる




貴「センゴクさんに聞いて…とんで来た

さっきは気づけなくてごめんね

でも、僕が心配するからって、声かけなかったんでしょ？」




ジ「センゴクさんにか……

Aさんの言ったとおりじゃ

心配かけてすまんかった」




またしても弱った声で言う




貴「参加拒否だけでこんな仕打ち……

これは僕 賛同できないな」




ジ「拒否した挙句、少々問題を起こしてしまってな……

じゃが参加は絶対にせん

ここにおったほうがまだましじゃわい」




貴「ねえジンベエ…

誰にも話す気はなかったんだけどね

戦争が終わったら、僕はもう海軍を出ようと思ってる」




僕の言葉にジンベエが驚く




貴「皆が嫌いなわけじゃないんだ

単なる僕個人の事情でね

だから僕が海軍と関係なくなってからだけど…

絶対助けに来るから…それまで待っててね」




ジ「ここはそんなに甘いところじゃn(貴「それでも！」…」




貴「それでも僕の大切な友達がこんなところにいるなんて嫌だ！

直接話したところで聞き入れてもらえるわけがない

危険でも無理でも、僕は来るよ」




それだけ言い、僕はインペルダウンを出た

７２匹目→←７０匹目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す