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コクハク age21 ページ8

熱い何かが喉につっかえて,また声が出せなくなる。でも,言わなきゃ。これだけは。結衣「・・・・・・守ってくれたよ」桧山は守ってくれた。鍵の時も森君の時も。私の心ごと,守ってくれたよ。手に提げた紙袋を,桧山に押し付けてる。困ったような顔をして,桧山が紙袋の中を見て言った。桧山「クレープ?え,これお礼・・・・・・とか?」結衣「違う!好きだから」桧山が私を見ている。少しだけ明るい茶色の瞳に,私だけが映っている。結衣「・・・・・・桧山が,好きだから・・・・・・」よほどびっくりしたのか,桧山の瞳が丸くなっている。・・・・・・やった。桧山にこんな顔させられるのは,きっと私だけだ。・・・・・・でも,さすがに恥ずかしい。自分の言葉を思い出して,いきなり頬が熱くなる。結衣「か,帰るね!」その場から逃げ出すように,私はくるりと回れ右した。桧山「待て!」私を追いかけようとした桧山が,番台を乗り越えてひらりと飛び降りてくる。──え?急に視界が黄色くなった・・・・・・。あ,これ私のパーカーの色だ,と気付いた時には,ぐいっとフードを目元まで被せられて,私は桧山の腕の中にいた。桧山「・・・・・・・・・好きだ」おそるおそるフードから顔を出すと,すぐそばに桧山の顔があった。桧山「結構,前から・・・・・・」ぎこちなく,そんな言葉を付け足した桧山の顔・・・・・・真っ赤だ。じゃあきっと,今の私も同じ色だね。

12歳。お互いに,言いたい事の半分も言えない,拙い子供の告白。でも・・・・・・私達,少しずつ大人になっています。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

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