トライアングル age8 ページ40
一通り曲が終わって,先生がCDの再生を止めた。先生「皆だいぶ覚えてきたわね。来週のこの時間にテストをします。班で練習しておいてくださいね」はーい,と私達はいい子のお返事。先生「じゃあ,残りの時間は班練習にしましょう」先生の言葉をきっかけに,皆細かな部分の仕上げにかかっていた。ふと見ると,堤君はつまらなそうに壁際に座ったまま,どこか怒ったような顔で天井のあたりを見ていた。紅葉ちゃんは,誰かに誘われたらしく,ひとつの班に混ざっていた。「・・・・・・・・・」しばらく目の端で見ていたけど,誰も堤君に声をかけない。お姉ちゃん達の方を見れば,最後の打ち合わせをするらしく円になって,話したいた。うちのクラスの担任は,ついさっき他の学年の先生に呼ばれてステージ裏へ行ってしまって,堤君は完全ノーマクになってしまったみたいだった。とうとう我慢が出来なくなった私は,班のダンスの輪から外れて,タタタッと堤君のそばへ走っていった。花日「堤君,うちの班で一緒にダンス練習しない?」堤「しねえ」即答されて,うぐっと言葉に詰まってしまう。どうしよう。もっと堤君が興味を持ちそうな言い方で誘わないと・・・・・・とオロオロしていたら,堤「こんな学校で,誰かと仲良くなる気ねーし」黒子&赤司「歩。帰ってから,覚悟しといてね/しといてくださいね」蓮華&さつき「自業自得ね/だね」私が何かを言う前に,堤君が低い声で呟いた。後に続くように,赤司君達が満面の笑みを浮かべてくぎを刺していた。冷たい言葉が胸に突き刺さって,なんだか悲しい気持ちになってしまう。私が誘ったのがいけなかったのかな。考えてみれば幼稚園の頃から,多分あんまりよく思われてなかったし。でも・・・・・・堤君,ひとりぼっちでさみしそうに見えたんだよ。ところが,私の視線に気付いた堤君は,フン,と鼻で笑った。堤「お前も,よけーな事すんな。ちんちくりん」むむむ。前言撤回。全然さみしそうじゃなかった!
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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時