Wデート age13 ページ23
ギョッとして声の方を見るとそこに,見間違えようもないエイコーの姿があった。「コメントくださーーーーい!!」トモヤも記者になって走ってくる。更には「実録!Wデートカップルの一日!」というボードを掲げた委員長まで・・・・・・。硬直する私と花日の隣で,男子ふたりがなにか耳打ちしている。桧山が頷くと,高尾が繋いだままの花日の手を引っ張って走り出す。桧山「逃げるぞ蒼井!」結衣「う,うんっ」花日達が逃げたのとは反対の方向へ,桧山が走り出した。「分裂した!」「こっちもフォーメーションBだ!」背後でエイコー達取材陣の焦る声が聞こえる。でも,桧山が上手く人の波をすり抜けていくので,声はどんどん遠ざかっていった。桧山の後ろについて走りながら,私は花日と高尾の姿を思い出していた。あのふたり,逃げる時も繋いだ手を離さなかった・・・・・・。桧山に拒否されてしまった自分の手を,私は悲しい気持ちでぎゅっと握りこんだ。
蓮華Side
私,蒼井蓮華は彼氏の赤司征十郎と幼馴染み兼親友の桃井さつき,黒子テツヤとショッピングモールに遊びに来ていた。簡単に言うと,Wデートってところかしら?
遠くから,エイコーの騒がしい声が聞こえた。その声は,征達にも聞こえてたみたいで,赤司「本当に,彼奴らあきないよね」と苦笑を混じえて話しかけてきた。蓮華「そうね」黒子「けど,賑やかでいいと思いますよ」さつき「だよね♪」赤司「まぁね。折角,ショッピングモールに来たんだし,楽しまないか?」蓮華「そうね。楽しみましょうか!」黒子「ですね」さつき「うん!」私達は,エイコー達の事は気にせず遊ぶ事にした。
暫くぶらぶらしていたら,うさぱんだのぬいぐるみが落ちていた。蓮華「あれ?」赤司「どうしたんだい?」蓮華「落し物だと思うんだけど」私は,落ちていたうさぱんだのぬいぐるみを拾って征に見せた。赤司「うさぱんだのぬいぐるみだね。サービスカウンターに持っていくにも,遠いし」さつき「何してるの?」黒子「どうされたんですか?」赤司「ああ。蓮華が落し物を拾ってね。サービスカウンターに持っていくにも,遠いからどうしようかって話してたんだよ」さつき「ならさ,そこの手摺に置いてたらいいんじゃない?」黒子「それもそうですね」赤司「そうしようか」蓮華「えぇ」私は,拾ったうさぱんだのぬいぐるみを,手摺に転がせた。持ち主が見つかりますように・・・・・・。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時