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Wデート age9 ページ19

私達の目の前には,ゲームセンターの広い空間があった。ショッピングモールの他の場所より,少しうるさくて人がたくさん集まっている。花日「あ・・・・・・!」機械も人もみっしりつまったその中に,花日が何かを見付けて走り出した。慌てて後を追うと,大きなクレーンゲームのガラスケースに,ぴったりくっついている花日を見付けた。花日「うさぱんだだー!」ケースの中には色んな種類のぬいぐるみが積まれている。その端の方に,他のぬいぐるみに埋もれてガラスに押し付けられたうさぱんだがいた。花日「うさぱんだ欲しい・・・・・・でもクレーンゲームやったことないし,でもでもうさぱんだ欲しい・・・・・・!」結衣「花日,うさぱんだ大好きだもんね」私が言うと花日が大きく頷いた。桧山「あー,でもあれはちょっと取れないなー」桧山がケースの中を覗いてコメントする。他のぬいぐるみが邪魔をして,クレーンが届かない位置にあるみたいだった。それでもガラスケースに張り付いて離れない花日が可哀想に思ったのか,高尾が改めてケースの中をじっと見つめた。そこへ,ゲームキャラクターのエプロンをつけた女性店員さんが通りかかった。店員「お客さん,うさぱんだ狙いですか?取りやすいように少し動かしましょうか?」花日「えっ,そんな事出来るんですか!?」目を輝かせながら振り返った花日が,おばちゃん店員さんを見て固まっている。・・・・・・ん?花日どうした?私もそっと前へ回り込んで,その店員さんの顔を見て絶句した。濃すぎる個性派メイク白っぽくなった,伝統和風お面──オカメによく似たその顔は・・・・・・デジャヴ。っていうか真面目な話,うちの市内にこの顔,何人いるんデスカ!?女子二名が固まっている隙に高尾が自分のポケットを探って,さっさとコインを入れた。百円玉を一枚,1回勝負だ。店員「えっお客さん,位置を変えないんですか?」びっくりするオカメ店員さんにではなく,高尾は花日に向かって言った。高尾「待ってて,綾瀬」見守る花日の隣で,高尾がクレーンを動かし始める。最初のボタンでクレーンを横へ動かして・・・・・・。花日「わ,わーーー!取れそう!頑張れ高尾っ」次のボタンで,クレーンがうさぱんだの真上におりていく。花日「すごいすごい,高尾すごい!いけ〜〜〜〜!!」うさぱんだの首をガシッと掴んだクレーンは高尾の前までゆっくり戻って来て,穴の中へぽとりと落とし込んだ。花日「やったーーーー!!」感激する花日の声に,私と桧山,ついでにオカメ店員さんの驚きのため息が重なる。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

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