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コクハク age16 ページ3

いきなりの判断に驚いていると,先頭に立った桧山がさっさと歩き始めた。一瞬立ち止まって,桧山「後ろに隠れてていいから。堂々としてろ」それだけ言うと私を森君のグループから隠すようにして,またすぐに歩き始めた。変なの・・・・・・。隠れてていいって言ったて,桧山の背は私より低いんだから,隠れられる訳ないじゃない。でも・・・・・・。でも,桧山の背中は頼もしい。凄く大きく見える。私の大事なものを,そして私の心まで守ってくれる,大好きな背中。桧山の後ろ姿をうっとりと見つめながら,このままこの廊下が永遠に続けばいいのに・・・・・・と,私は密かに願っていた。

此処は調理実習室。ホワイトボードには「クレープ」の文字がある。遂に,女の子達の野望がこもったスイーツ作りの時間が始まった。先生「材料は此方に取りに来てください。ボールは後ろの棚ですよー!」先生に言われて,各実習班の代表がわらわらと前へ集まっていく。実習じたいは男子も女子も一緒にやるけれど,女子の作ったクレープのうちの何割かは,男子のお腹の中に入る可能性が高い。バレンタインチョコ待ちみたいは落ち着きのなさで,一部男子もそわそわしている。班長の私が材料を抱えて戻ってくると,実習台の前で花日がお祈りしていた。花日「美味しく出来ますよーに!」ぶきっちょだけど,高尾には最高のクレープを食べさせたいんだって。可愛い。まりんを泡立て係に任命した私は,生クリームのボウルと泡立て器を手渡した。手作業の泡立てはかなり大変だ。気合を入れてシャカシャカやらないといけない。まりんが一生懸命クリームと格闘しているところに,後ろからトモヤが近付いて,二の腕をむにっと触った。まりん「・・・・・・何?」トモヤ「べっつにー!」まりんに咎められても,トモヤはへらへらと口笛を吹いて立ち去ってしまう。そこでようやく気付いた。前にエイコーもやっていたけど,よく考えたら今朝,私も森君に同じ事をされた。花日「また二の腕・・・・・・。なんなんだろうね,アレ」花日がボールを持ちながら首を傾げると,まりんは肩を竦めた。まりん「さぁ。さみしいんじゃなーい?」そうなのかな・・・・・・?六年男子の間で流行している「二の腕触り」に,なんの意味があるんだろう?そんな事を考えながらも無意識に,目は桧山を探してしまう。すると桧山の姿を見付けた。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...  
作成日時:2022年10月3日 0時

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