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回復 ページ20

2日後、病院にルッチのお見舞いに一人で来ていた。

「早く起きてよ…」

硬く目を閉じているルッチ。空は晴れていて風は吹いていない。こんなにも天気は穏やかなのに、私の心は穏やかじゃない。

ル「…A……?」

名前を呼ばれて、俯いていた顔を上げるとルッチと目が合った。

「ルッチ…!!」

抱き締めたい。でも、ルッチは怪我してるから…抱き締められない。

「よかった…!」

代わりに涙が溢れた。2日ぶりに見たルッチの顔が歪む。

ル「…何泣いてんだ。馬鹿野郎」

その存在が愛おしい。かけられる言葉一つでこんなにも嬉しくなったのは初めてだ。

「ルッチ…ゴメンね…ゴメンね…!」

口からは謝罪の言葉が出た。

ル「…お前が謝る必要があるか?」

「だって…私がルフィをとめられなかったから…」

ル「…お前がとめられなかったとしても、俺が奴を殺せばよかっただけだ。それができなかったのは、俺が奴に負けたからだ。…お前が悪いわけではない」

涙のせいでルッチの顔がよく見えない。

「ルッチ…ありがとう…」

ル「いつからお前はそんなに泣くようになったんだ?」

ルッチが、微笑んだのが分かった。

そして、どちらからともなく唇が重なった。

一度離れて、もう一度しようとしたら、病室の扉がガラリと開いて慌てて離れてしまった。

ジャ「イチャイチャしてんじゃねえよ」

カク「ルッチが目を覚ました途端…」

カ「TPOをわきまえなさい」

「み、見て…!」

恥ずかしくて顔が暑くなる。

私とした事が、気づかないなんて…!

フ「バッチリ見てた、チャパパ〜」

「わ…忘れろぉぉ!!」





それから2日後。まだ包帯は取れてないけど、ルッチは無事退院する事になった。

ル「感謝する。ドクター」

ルッチが医者に礼を言っている間、私はカリファと話す。

「元気になるの早いわよね」

カ「Aの看病が効いたんじゃないの?」

意味深長な言い方に引っかかりを覚えて恐る恐る訊く。

「どういう事よ」

カ「だから、Aのキ…」

その先が分かって、私はカリファの口を塞いだ。

「言わなくていい…!」

ル「何やってんだ。行くぞ」

「あっ、うん」

ルッチに促されて、私は無意識のうちにルッチの隣に並ぶ。私より頭一つ分高いルッチの顔をずっと見ていると、尋ねられた。

ル「何だ?」

「…いや…好きだなぁ、って」

すると、ルッチの顔が僅かに赤くなった。

「照れてる?」

ル「不意打ちは禁止だ」

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ジン - とてもいいか終わり方です!しかもとても面白かったです!お疲れ様でした! (2017年8月15日 22時) (レス) id: f63945df23 (このIDを非表示/違反報告)
トロ丸くん - 完結おめでとうございます!!!すごく面白かったです! (2017年8月4日 18時) (レス) id: 03aa5adfc5 (このIDを非表示/違反報告)
カグサ - 一話から全部読まさせていただきました!! スゴく面白かったです!! (2017年7月31日 21時) (レス) id: b3a70d09a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2017年7月25日 14時

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