第33話 ページ34
浦原さんから粗方状況を聞いて私も織姫やチャドの修行に付き合いつつ何日かたった。
その日は一護の修行が終わったと浦原さんから連絡が入り、急いで浦原商店に向かった。
中に入るといつも私が泊まる時に使わせてもらっている部屋で一護は気持ちよさそうに寝ていた。
修行疲れであと数時間は起きないと言われ、私はそのままそこで一護が回復するのを待つ事にした。
私が浦原商店に来てから時計の針が同じ場所を3回ほど指した頃だった。
一護がゆっくりその目蓋を気だるげそうに開けた。
「一護!!」
私は一護の顔を覗き込み顔色を確認する。
「A?...は?A!?なんでここにいんだよ!!」
一護の意識が覚醒し、私の存在をしっかりと認識できると一護は勢いよく起き上がり私の肩を掴んだ。
「説明しろ!!なんでこんな所にいる!!」
鬼の形相でそんな事を聞かれ肩を前後に揺さぶられる。
あまりにも強いその勢いに視界が揺れて定まらない。
「あらぁ黒崎さん、思ってたより元気そうっすね!」
空気を壊すような気の抜けた声を聞いて一護は私を揺するのを止め、声の主の方を見る。
「何でこいつがこんな所にいんだよ浦原さん!!」
一護の怒鳴り声にも臆せず、浦原さんはケラケラと笑いながら扇子で顔を扇ぐ。
「嫌だなぁそんなのAさんも朽木さん奪還のため尸魂界に行くからに決まってるじゃないですか!」
一護は状況が理解出来ないようで目を見開き浦原さんを見ている。
「ま、待てよ浦原さん!!Aは霊力が無いんじゃないのか!?」
「霊圧が他者に感じられないだけで、霊力自体はAさんもちゃぁんと持ってますよ。」
それでも一護は焦ったように「だめだ!!」と怒鳴った。
「何があるか分からねぇ危険な場所にAを行かせられる分けねぇだろ!!」
「黒崎さん、Aさんはちゃんと自分で自分を守る術を持っている。正直言って今の貴方よりはAさんの方が実力は上だ。」
浦原さんにそう言われると一護は今度は私の方を見て睨みつけた。
「聞いてねぇぞA。」
「だって言ってないもん。」
「あ”?」と一護は低い声を出すが、私は負けずに一護を睨む。
「なんで私は一護に言わなくちゃいけないの?」
「それは何かあった時お前を護れな「護って欲しいなんて頼んでない!!」」
今まで溜まっていた不満が少しづつ私の心から溢れ出す。
見て見ぬふりを続けてきた私が、ずっと隠して目を逸らして来た一護が、目が合った。
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マニ。(プロフ) - ✉️。こんにちは!いつも作品見ています。嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか?これからも更新応援してます💖 (1月22日 19時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななな | 作成日時:2023年11月28日 20時