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つくるもの ページ1

「twins、またもや優勝です!双子のユキちゃんと(主人公)君の息ぴったりな動きに圧倒される!」

 そんな実況の声が聞こえる中、俺の双子の姉、ユキ姉は、客席に向かって手を振っている。

「ほら、ユウキも。私たちが一位になれたのは、ファンのみんなのお陰だよ。」

『…うん。』

 ユキ姉の真似をして小さく手を振ってみる。

 …ファンの人達は喜んでいるけど、楽しくない。

 楽しい楽しくない以前に、何も感じない。

 何で俺、アイドル何かになったんだろう。

 …普通にいた方が幸せだったのに。








「…ん…。」

 目を開けたら、いつもの自分の部屋の天井だった。

 夢から覚めた事にホッとして身体を起こして時計を見ると、7:30で、まだまだ学校に間に合う時間だった。

 …懐かしい夢を見てたな。…確か、ユキ姉との最後のライブ…。

 ベッドの棚に置いてある、アイドルをやって居た時の写真を見てぼーっとする。

 俺は歌う事もダンスもやめて、今では普通の地味なメガネ高校生。3年前の事は忘れ去られ、俺の事をバカにする奴も多い。

 特に何も思わないけどね。

 ユキ姉はBF4(Best friends4)というユニットを組んで活動している。

 双子とは言え、俺とユキ姉は一緒に暮らしているわけではない。

 仲が悪いわけでは無く、ただ単にユキ姉が高校と事務所が遠いから一人暮らしを始めた。それだけだ。

「ユウ君〜!そろそろ起きないと、学校に間に合わないわよ〜!」

『はーい、今行くー!』

 返事をして時計を見ると、いつの間にか8時だった。

『…普通に遅刻だな。』

 どうせ走っても間に合わない、諦めて怒らえよう。

 取り敢えず着替えて荷物を持って下に行く。

「おはよ〜。」

「もう、何時だと思ってるの?遅刻するわよ?」

『走っても間に合わないから、大人しく怒らえる。』

「もう、ユウ君のまったりは誰ににいたのか…。」

『父さんでしょ。』

「それはそうね。」

 母さんは、口では不機嫌そうに言うけど、母さんの顔は笑っている。

 …父さんは今海外に主張していて、家には母さんと俺だけだ。

 父さんのことを考えながら、朝ごはんを食べる。

『おはようございます♪BF4のユキです!』

最悪!→


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作者名:ランタ | 作成日時:2020年11月22日 22時

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