検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:33,526 hit

ページ17

·









そこに座って と椅子を指さされて腰掛ける。




微妙な空気感の中、声を上げたのはまふくんだった。





「あの……そらるさん、本当にごめんなさい、」




「何が?」




「………へ、」







一瞬、何を言われたのか分からなかった。





まふくんと同様に私も訳が分からないと言った風に"そらるさん"を見つめる。







「俺は…ううん、俺らは まふまふ。お前が幸せになれるならいいんだよ」





そう言って微笑んだ目の前の彼。




その表情に怒りや憎しみ、悲しみなんてものは汲み取れなくてただ純粋にまふくんを思っているだけの顔。




「怒って……ないんですか、」



「なんで俺がお前を怒らなくちゃならないんだよ。
お前が幸せになれるならどんな道を選んだっていいと思うよ、俺は」





お前が本当に幸せになれる時、俺らは全力でお前を祝福してやるからさ。




……なんだ。





まふくんの周りにはいいご友人ばっかりじゃん。





ちょっと羨ましいなあ…なんて。







「だから…幸せになれよ、まふまふ。」





「っ、!…………はい、!」







ひっく、と嗚咽を漏らしながら涙を流すまふくん。





幼馴染みの涙を見るのは何年ぶりだろうか、なんて考えながらそっと彼の背中をさする。





「……そらっさ、本当に……ありがとうございま……っ」





「はいはい。それと、お礼を言うなら俺だけじゃなくて幼馴染みにもな。」





『え………私、ですか?』





咄嗟のことにびっくりしてわたわたと慌てる。





私、何もしてないんだけどなあ。





勝手に迷惑かけて心配させちゃってるのに。





「ここまでお前を引っ張ってきてくれたのは彼女でしょ。
………こんなやつだけど、まふまふのこと、よろしくね」






私に視線を向けたそらるさんは、もう1度私へそう言った。



先程までは分からなかった言葉の意味も、今なら理解できる。





だから大きく頷いてから







『勿論です』





そう言った。

"好き"→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
248人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , まふまふ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

如月 夢歌(プロフ) - 雪見さん» ひぇぇぇ尊敬だなんてこちらこそ恐れ入ります。。読んでくださっていたなんて…嬉しいです。頑張ってください〜! (2017年12月10日 19時) (レス) id: e1a8eff171 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - 如月 夢歌さん» ありがとうございます!まさか如月夢歌さんに読んでいただけてコメントまで頂けるなんて恐れ多いです(汗)実は私、如月夢歌さんの作品を陰ながら拝見させて頂いております…。尊敬する方にそう言っていただけると嬉しいです!更新頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 21808aae1e (このIDを非表示/違反報告)
如月 夢歌(プロフ) - 一気に読ませてもらいました。間の取り方などこうやってとるのか…と勉強させてもらいました(*´∀`*)これからも読ませていただきたいと思います。更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月10日 16時) (レス) id: e1a8eff171 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - 千秋さん» ありがとうございます!! (2017年11月21日 23時) (レス) id: 21808aae1e (このIDを非表示/違反報告)
千秋 - かけ落ちぃぃぃぃ!!!!最高です…続き楽しみにしてます! (2017年11月21日 22時) (レス) id: 7653753f09 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪見 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2017年11月19日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。