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ピッと響く監督の笛にバスケ部一同が動きを止める。
「今日はここまでにしよう。お疲れ様」
「ありがとうございました」
虹村主将の挨拶に続いて他の部員たちも頭を下げ、ロッカールームへと向かっていく。
俺もまたタオルを首にさげながらそこへ向かった。
*
「テツー、大丈夫か」
ロッカールームに入れば教科書でパタパタ仰がれている黒子っちがいた。
「お菓子いる〜?」
「今、食べられるわけがないだろう。黒子、とりあえず水分を摂るのだよ」
ぐりぐりとまいう棒を押し付ける紫原っちに緑間っちがストップをかける。
「頑張りすぎも良くないが……もう少し体力をつけてもらわないと困るな」
「……すみ、ませ」
まぁこんな様子は日常茶飯事で、練習疲れで黙々と着替えをこなす部員よりかは俺たち二年のロッカー前はいつも賑やかだ。
「黒子っち、まぁた倒れたんスね。ちゃんと汗拭かないと身体冷やすっスよ」
俺もそう声を掛け、新調したばかりのタオルを黒子っちにかけてあげる。
黒子っちは暫くの間は肩で息をしていたものの、段々マシになってきたようで真っ赤になっていた顔も随分赤みがひいてきた。
「もう大丈夫です。毎度毎度心配おかけしてすみません」
律儀にぺこりとお礼をしてくる黒子っちにふっと笑いつつ、ベルトをしめた。
「あ、ねぇねぇ黒子っち!昼休みの続き!」
「あー……そうでしたね」
またそういうあからさまに嫌そうな顔を浮かべる黒子っちにムッとする。割と本気で悩んでるのに。
「ん?なんの話してんだ?」
「黄瀬くんのただの惚気話です」
「だから相談だってば!!」
なんだかこのやり取りが永遠に続きそうな気がしたので、俺は勝手に話し出した。
「つまり__
俺的には、なんというか、もうちょっとヤキモチとか妬いてほしいんスよ!!」
一瞬の沈黙の後に誰かのため息が聞こえた。
「黄瀬くんってほんと……面倒くさいですね」
「お前は嫉妬されたらされたでウザがるだろう」
「女々しいのだよ」
「なんか黄瀬ちんダルい」
「知らねーよ」
口々に感想をこぼすメンバー。
……もっと別の子に相談するべきだったっスかね。
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辻村行人(プロフ) - とても面白いです!お体に気をつけて更新頑張ってください! (2019年6月30日 5時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 美紀さん» 美紀様、コメントありがとうございます。お返事大変遅くなりました。本当に申し訳ないです……。黄瀬くんいいですよね!更新止まってしまっていてごめんなさい。はやく完結させられるように頑張ります……っ (2019年6月13日 14時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 涼太君大好きです最高です (2019年3月10日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 楼莉さん» 楼莉様、コメントありがとうございます〜!黄瀬くん可愛いと言っていただけて本当に嬉しいです!私事ですが、楼莉様の「ケンカップルが通る」を読ませていただいています。真ちゃんと主人公ちゃんのやり取りが本当に可愛くて……。お互い更新頑張りましょうね(o´・ω-)b (2018年7月23日 14時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
楼莉(プロフ) - 黄瀬くんがすっっっごく可愛いです!!!今後も楽しみにしてます! (2018年7月22日 18時) (レス) id: 7ad08e5261 (このIDを非表示/違反報告)
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