はんぎゃくしゃ 【ツイステ】

にているひと ページ3

僕は、ずっと遠くからその子を眺めていた。夢中だった。なんて可哀想な子なんだろう。あまりにも惨めで、ニヤニヤしてしまいそうだ。

「A、おい、聞いておるのか？A」
「んぁ?!りりあ…びっくりした」
「大丈夫なのか？ずっと上の空状態だったが、どうしたのじゃ？気分が悪いのか？」
「え、うぅん、へーきへーき」
「嘘じゃな。顔を見たらわかるぞ。お主は、昔から病弱だからな。顔が真っ青じゃよ。心臓が痛いのじゃろ？寮へ戻ろう。」

りりあは、昔から兄さんの隣にいた。恐ろしいくらい僕のことに目を光らせていた。
少し怖い。
りりあには、敵わない。小さい頃からそうだった。
僕含めて新入生は、ディアソムニア寮へ案内された。
兄さんは、能天気だから直ぐにどっかへ歩いて消えてしまう。
いっそうそのまま消えてしまえばいいのに。

「ちゃんと薬は飲んでるのじゃろ？」
「うぅん、おいしゃさんが、歳を重ね薬を強くさせるとかえって悪い状況になるかもしれないからって、いまは、もう、薬飲んでないよ。」
「そうなのか。」
「？！」
「これは、マレウスではないか。」

いきなり後ろから声がして慌てて振り返ったら、兄さんが居た。
びっくりした。

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