31回目 ページ31
「体冷やすと危ないから、これ羽織ってて」
「いやいや、それは申し訳ないです」
「昼間にぶっ倒れた奴が何言うんだよ」
その言葉に何も言えなくなり、真緒さんからブランケットを借りてしまった
それを言われてしまったら何も言えないじゃないか
分かってはいたが何だか納得が行かなかった
それが顔に出たのか、私の肩に赤色のブランケットを羽織らせながら彼は吹き出した
「笑いました?今」
「いや、そんな訳…」
「口元動いてますけどー!?」
彼の口元を指すと、明らかに笑いを堪えていた
なんか、Aちゃんって芽衣に似てきたよな。と口元を手で抑えながら笑われる
芽衣に似てきたってどういうことだ
それを聞こうとしたが、真緒さんはまた私の隣に腰掛けてこちらをじっと見てきた
「眠い?」
私は首を横に振る
本当に昼間に寝てしまったせいで、脳はしっかり動いている
正直、今日の授業中に寝てしまいそうで心配だが
生憎今は全く眠くないから仕方がない
「じゃあさ」
私の反応を見て、彼は申し訳なさそうに苦笑する
「演技の練習相手、やって欲しいんだけど…」
「私、演技ド下手くそな自信ありますが」
食い気味で真顔で答えると、別に良いよと言われてしまった
良いのか、真面目に棒読みになりそうなんですけど
台詞とか間違ってたら教えてくれて良いから。と台本を受け取る
紙に印刷された明朝体のフォントを見つめる
待って
「(1体1でやるの、これ)」
いや、私達の他に誰もいないからそれはそうなんだけど
軽く承諾した自分を少し恨んだが、私はただの練習相手だ
普通に台詞を読むだけ、特に意識することも無い
うんうん。と自分で頷きながら目の前にいる真緒さんを見つめた
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彩音(プロフ) - ひ〜〜めちゃくちゃどきどききゅんきゅんしました・・・。(語彙力なくてすみません) (2022年7月26日 14時) (レス) @page49 id: 25043c6aac (このIDを非表示/違反報告)
ことは - 真緒くん!梶さん!尊い! (2021年4月15日 18時) (レス) id: 1efa312b7c (このIDを非表示/違反報告)
めご(プロフ) - 空白猫さん» ありがとうございます(;_;)是非推してください〜!!評価もありがとうございます!! (2021年4月9日 23時) (レス) id: fec7c0a77e (このIDを非表示/違反報告)
空白猫 - 前半…「早くくっついて?」後半…「待ってこのカップル推せるわ」ってなりました…評価たくさん押しますね…神作だと思ったのでッ!! (2021年4月8日 11時) (レス) id: 10484fbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
愛葉 - 半分本気です…(笑) (2021年2月28日 20時) (レス) id: bb433bc26e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めご | 作成日時:2021年1月2日 21時