【朔間凛月】シニタイちゃん (ページ4)

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３話ページ4

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「ん…… 」

目が覚めた場所
白い壁

漂う薬品独特の匂いから
ここは保健室か。と起き上がる

屋上に行った記憶はあるんだけど
途中から思い出せない

「あ、」

膝に違和感があるなと思ったら
黒髪の男の子がうつ伏せで寝てた

私が目覚めるのを待っていてくれたのだろうか

そうだ、私は死のうとして
この男の子に止められて

『俺が彼氏になってあげる』

さっきの事を一気に思い出した

彼氏……？
てか、この人誰なんだろ

「あれぇ」

もぞもぞとまた足に違和感

起きた？と微笑む男の子

「貴方より先に起きたよ」

「ねえ佐野。聞きたいことあるんだけど」

無視か。なんて突っ込む暇もなく質問があるそうで

「てか、なんで私の名前知ってるの？」

「ブレザーの胸ポケット、生徒証入ってるでしょ。」

「見たの」

「見た」

じゃあ薬も
見られた……？

「なんで佐野はアイドル科に居たの？」

「プリント届けに来た」

「誰に」

「生徒会長」

「じゃあ質問変える」

「どうぞ」

「屋上に居たのは？なんで死のうとしたの」

質問が多いよ、とベットにボフンと倒れ上から毛布を被った

「その前にさ、」
「君の名前はなに？」

「朔間凛月」

凛月、と名乗る少年は
先ほど私に彼氏になると言ったこと、覚えていないのだろうか

「私が屋上に居たのは死にたかったから。死のうとしたのは、」

毛布から顔を出し
凛月の赤い瞳を見つめる

死にたかったら

微笑む私と私を見つめる凛月

「理由になってないでしょ」

「さっき言ったじゃない。私には存在する意味がない」

「それに貴方＿＿＿。ほんとに私の彼氏になってくれるの？」

ああそんなこと言ったかも。みたいな顔をする

……忘れてたのね

「うん」

「私と付き合ったらろくな事ないと思うけど」

「いいよ。別に」

「あんたに生きる価値をあげてあげる」

「上から目線ね」

「別にいいでしょ。付き合ってあげるんだから」

凛月は
さてと、と椅子から立ち上がる

「そろそろ行かないと。レッスン始まるから」

そっか凛月はアイドル
放課後もレッスンがあるのか

ん、放課後？

「一緒に帰れなくてごめんね。彼女さん」

こんな彼女さんなんてからかいの言葉さえも私には聞こえてなかった

屋上に行ったの昼休みだったのに

もう放課後だったの…

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