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98話 ページ2

Aside


"考えさせてください"



それが僕の答えだった。




牛島さんとは連絡先を交換し、明日の事も考えて、帰ってもらった。




それが昨日の事







今、僕は職員室に来ている。




猫又監督に聞きたくて。




牛島さんに僕の家を教えたのにはどういう意図があるのか。







猫又監督は座っていて、僕はその前に立っている。






『猫又監督が、牛島さんに僕の家を教えたんですよね?



何故ですか?』





猫又監督はああ、そのことか、と呟いた。




まさかこの人忘れてたのか!?






猫又「昨日、牛島君がはるばる東京にやって来て、お前の家を教えてほしい、と言ってきたんだ」



『まさか、わざわざ東京に来たから教えたんですか!?』




思わず声を荒げる。




猫又「そんな訳ないだろう。



理由を聞いたんだ。


そしたら彼は、ハッキリと"お前を白鳥沢に入れたい"と言った」




あの人、ホントブレない。




猫又「その場で断りたかったのが本心だ。


お前は大切な音駒の即戦力で、チームメイトからすれば、大切な仲間だからな。





……でも、お前本人に決めて欲しかった」




『どういう意味ですか?』




その場で断ってくれたら良かったのに。



僕は知らないままが良かったのに。





そしたら、こんなに迷う事もなかったのに。






猫又「こんなチャンス、2度とない。



そのチャンスを自分の一存で潰す訳にはいかん。



お前が自分で、後悔しない方を決めて欲しいと思った」




『……』



反論したいはずなのに、声が出ない。




僕は音駒がいいって言えるはずなのに、口が動かない。




原因は分かってる。







牛島さんが、本気だったから。





あの、真っ直ぐな目が、僕を躊躇わせる。





猫又監督もそれを感じ取った。




だから、適当な返事は出来なかった。



自分の一存で決められなかった。







猫又「白鳥沢の鷲匠監督からも、正式な勧誘が来ている。


あっちはいつでも受け入れる準備が出来ているようだ。







……そんなに思い詰めた顔をするな。




自分がしたい事をしろ」





『……はい』





猫又「部のヤツ等には言っても言わなくてもいい。



お前から言いづらいなら、わしが言うし、言わないなら、言わなくていい」




聞かれた時は適当に誤魔化しておく、と猫又監督は笑った。






『ありがとうございます。



みんなには言いません。



自分なりに、しっかり答えが出せるようにします』

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サクラ - Luneさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2019年7月30日 13時) (レス) id: 9cd941d146 (このIDを非表示/違反報告)
Lune - こういう感じの作品が見たかった..(感動)もう最高すぎです!面白いし、もうなんかとにかく好きです← 更新頑張ってください!応援しております!! (2019年7月27日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - キラリさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう、頑張りますね! (2019年3月27日 7時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ(プロフ) - あの......好きです!笑 これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年3月26日 3時) (レス) id: 203d4207d9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ファンミさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年3月23日 20時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクラ | 作成日時:2019年2月16日 16時

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