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喫茶店で軽食を取って、暫くして店を出た。
それから歩いて10分程度のところにある近くのファッションビルに向かった。
最近ショッピングしてなかったなぁ、新しい洋服が欲しい、と思っていたし、どうせならオシャレな潤くんの意見も聞けるから、ショッピングに付き合ってもらうことにした。
ビルに着いて、まず雑誌を見て気になっていたニットがあるお店に行って、実物を見て気に入ったから迷わずお買い上げ。
あとはブラブラと気になったお店に入って洋服を物色した。
うーん、とどっちの色がいいだろう…と悩んでいたら、「こっちがいいんじゃない？」と意見をくれたり、「Aってこういうの好きそう」と私に似合いそうな服を選んでくれた潤くん。
彼女でもない女の買い物なんてつまんないだろうな、と思って、「付き合わせてごめんね？」と言えば、「服好きだから、べつに退屈しないけど？」といつもの温度で潤くんはそう言ってくれた。
高校生のときや大学生のときは、カラオケや映画に行ったり、割と一緒に遊んだりしていたけど、社会人になってからは、仕事終わりにご飯に行くぐらいだった。
大学生まで毎日のように顔を見合わせていたのに、今では頻繁に会うことはなくなった。
それは住んでいるところが変わったし、お互いの環境が変わったから自然なことで、付き合ってもいない男女の関係だから、不自然でもない変化。
いや、大学生まで一緒に居過ぎたんだ。だって一人暮らしをするアパートまで隣同士だなんて。
だから久しぶりに休日にこうやって過ごす。
昔からずっと一緒に過ごしてきた幼馴染だから、やっぱり潤くんとは気負いせずにいられて心地良い。
何も予定がなかった誕生日が、潤くんのおかげで楽しく過ごせることになった。
私にとって潤くんは家族、とまではいかないけど、それに近い存在。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年12月2日 19時
