【テニプリ 】 仕事をしてただけなのに… 2

68 謝罪 ページ18

【エントランスにて】

大きすぎる建物に到着し、足を踏み入れるとそこには広すぎる大広間が広がっていた。

ガヤガヤとしたその空間には、既に何百人もの人が集まっている。


真「む…少々人が多すぎるのではないか」


辺りを見ると弦一郎の言う通り、テニスの合宿にしては規模が大きすぎる様な…


ブ「げ。しかも氷帝はレギュラーだけじゃないのかよぃ？」

『うわ本当だ、確か氷帝は部員200人とかいるよね？もしかして全員来てんの？』



まさかと思い氷帝学園と書かれた立札の辺りを見ると、
恐らく一般部員であろう群衆がたむろしていた。


『(…マネージャー不在で200人分のサポートなんて誰がやるんだろ？)』


幸「今回の参加条件は部員である事だけだからね。それでわざわざ全員を連れてきたんじゃないかな」

仁「はっ、やる事がいちいちデカすぎるぜよ。コストも200倍じゃろうに」

『まぁきっと有望な後継者を育てたいんだろうねー……ん？』



その時ふと視線の奥に見えたのは、主催者であろう人と話をしている男性。


…私が前の職場でものすごくお世話になった、青学の部長さんだ。


『みんなちょっとごめん、すぐ戻る！！』ダッ

ブ「？えっおい！！」

私は人混みを掻き分け小走りで彼の方へと向かった。

ーーーーーーーーー

〜ステージ前〜

彼が主催者と話し終えたのを確認し、その背中をトンと叩く。

『久しぶり、手塚！』


私が声をかけると、彼は歩くのをやめてこちらを振り返った。


手「……！A、来ていたのか」

手塚は書類を片付けていた手を止め、私と向き合った。

『あはは、そりゃ参加するさ！ところで元気だった？』

手「ああ、俺も皆も変わりはない。…ただ」

『ただ？』

手「何度も言う様だが…本当に、すまなかった」
　
突然眉をひそめ、深く頭を下げる手塚に戸惑い思わず周りを見渡す。

『え？ちょ、ちょっとやめてよ！こんな人のいる所で…どうしたの？』

手「Aの任期をこちら側の都合で解除した事を今でも申し訳なく思っている。うちの菊丸が…すまない」


『…！その事は……私こそ何度も言うけど本当に気にしなくていいよ！私もぶっちゃけどう対応していいか分からなかった時もあったし…』


手「菊丸がAの事を良く思っているのは気づいていたのだが…あそこまで部活動に影響が出ると正直、こちらも手をつけられなかった。Aも菊丸のメンタルを心配してかなり気を遣っていた様だったからな」

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