2. ページ19
「あ、そういえばこの前のインハイ予選のとき、今吉先輩に会ったよ。」
「・・・。」
完全に無視された。
ひどい。何か反応してくれたっていいのに。
真は今吉先輩を毛嫌いしている。
いや、まあ、あの人のことは苦手になるっちゃなるけど...。
私もあまり話したいとは思わない。
でも今吉先輩は結構、真のことをかっている。
褒めているのをどこかで聞いたことがある。
ま、そんなこと口が裂けても言う気は無いけれど。
そういや霧崎にいったって、あの人にも言ってなかったな。
まあどうせそのうち会うだろうから言わなくていいか。
「で?私が今吉先輩のこと言ったからってそんなに不機嫌になんなくても良いんじゃないの?」
「はっ、ふざけた事言うんじゃねえ。お前にも外周させるぞ。」
「いや、私あくまでマネージャーなんだけど!?」
マネージャーがそんなに走ってたまるか。
しかも真のメニューなんて軽く殺人ものだ。出来るはずが無い。
「そんなに無駄口叩く元気があるなら、勉強のひとつでもしたらどうだ。」
「ふん、あんたに言われる筋合い無いけど。」
「ふはっ!補習になってもしらねえからな。」
「余計なお世話。」
勉強の心配なら私以外の奴にしたほうがいいと思うけど。
分からないけど、原やザキが見たところ心配そうだ。
まあ、私には特に関係ない。
どーせ頭の良い奴なんてバスケ部には何人かいるでしょ。
無駄なことはしたくない。
「あ、そろそろ時間じゃん。行こーよ、部活。」
「何言ってんだ。今日は休みだっつったろ。」
え``。
完全にそのことを忘れていた。
一気に私の気分はダダ下がりである。
せっかく楽しみにしていたのに。
一つ溜息をつき、窓をみる。
さっきまで青かった空には、暗い雲がかかっていた。
43人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ